2026年シーズンの巻き返しを目指すアストンマーティンは、新型マシン「AMR26B」の投入をホンダのパワーユニット開発スケジュールに合わせることなく、完成次第デビューさせる方針を明らかにした。一方、ホンダF1のチーフエンジニアを務める折原慎太郎は、今季のパワーユニットアップグレードは夏に予定する1回限りとなり、その後は2027年型エンジンの開発へ全面的に注力する考えを示した。
AMR26Bはホンダの開発を待たず完成次第投入アストンマーティンは現在、エイドリアン・ニューウェイが主導して開発した大規模アップデート版「AMR26B」の投入準備を進めている。低迷するシーズンを立て直す切り札と位置付けられており、チームは一刻も早い実戦投入を目指している。オーストリアGPが開催されるレッドブル・リンクで取材に応じたマイク・クラックは、AMR26Bの投入時期についてホンダの開発状況とは切り離して判断すると説明した。「アストンマーティンとホンダは互いに依存しているわけではない。常にスケジュールをできる限り前倒ししようとしているし、準備が整い次第マシンを投入する。いつ完成するかを見極めることになる」一方、ホンダは新型パワーユニットを7月末から8月初旬に投入できるよう開発を進めている。ホンダは今季アップグレードを1回に集中2026年はADUO制度によってホンダには最大2回のパワーユニット性能向上が認められる可能性があるものの、ホンダはその権利を使い切る予定はない。チーフエンジニアの折原慎太郎は、夏に予定するアップグレードが今季唯一の改良になることを明言した。「夏頃に新しいエンジンを投入する予定です。夏休み前になるか後になるかはまだ分かりません」「今年はそれ以上の開発は行いません。そのため、この夏のアップデートを重要なものにしたいと考えています。小さな改良ではありませんが、奇跡のようなものでもありません。大きな前進を実現できるよう懸命に取り組んでいます」夏以降は2027年の新レギュレーションに向けたパワーユニット開発へ完全に軸足を移す計画だ。高地のオーストリアGPはホンダに厳しい戦いオーストリアGPが行われるレッドブル・リンクは標高約700mの高地に位置しており、ターボチャージャーへの負荷が大きいサーキットとして知られている。競争力不足に苦しむホンダにとっては、さらに厳しい条件となる見込みだ。折原は、高地特有の課題について次のように説明した。「ターボにとって大きなチャレンジになります。昨年はMGU-Hのサポートがありましたが、今年はありません」「そのため、ターボには先週(バルセロナ)とは異なる挙動が求められます。パワーベンチでは同様の条件を再現したテストを行いましたが、このサーキットでターボとエンジンがどのような挙動を示すかを確認することが重要です。それがフリー走行で最も重要なポイントになります」アストンマーティンはAMR26Bを完成次第投入する方針を維持し、ホンダは夏の1度だけの大型アップグレードに勝負を懸ける。両者はそれぞれ独立したスケジュールで開発を進めながらも、シーズン後半の巻き返しに向けて重要な局面を迎えている。【関連】・ホンダF1渡辺社長 ニューウェイの批判にも「率直な対話」で関係修復