アストンマーティンF1のアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、最近浮上していたエイドリアン・ニューウェイの健康不安説を否定し、その仕事ぶりとリーダーシップを高く評価した。2026年F1シーズン開幕以降、ニューウェイがグランプリ会場に姿を見せていなかったことから、一部メディアでは健康上の問題によってシルバーストンでの業務にも支障が出ているとの報道が流れていた。
しかしアストンマーティンはこれを否定。ニューウェイ本人もモナコGPに姿を見せ、チームに帯同した。金曜日のFIA公式記者会見に出席したデ・ラ・ロサは、ニューウェイについて問われると、自身がマクラーレン時代に共に働いた頃と何も変わっていないと語った。「ニューウェイは何も変わっていない」ペドロ・デ・ラ・ロサは、ニューウェイの現状について明確に否定した。「エイドリアンに違いは何ひとつ見当たらない」とデ・ラ・ロサは語った。「彼は休みなく働いているし、その仕事に対する姿勢は本当に並外れている」さらにデ・ラ・ロサは、ニューウェイを特別な存在にしている最大の理由として、ドライバーの意見に耳を傾ける姿勢を挙げた。「彼は僕がこれまで一緒に仕事をしてきた誰よりも、ドライバーの話を聞くエンジニアのひとりだ」「元ドライバーとして、それは本当に尊敬できることだ」「今の時代はデータがすべてのような世界だ。エンジニアに話していても、彼らは画面ばかり見ていて、データが正しいのか、それともドライバーが正しいのか分かっていないこともある」2005年オーストラリアGPで見せたニューウェイの凄みデ・ラ・ロサは、ニューウェイがいかにドライバーの感覚を重視しているかを示すエピソードとして、2005年オーストラリアGPでの出来事を紹介した。当時マクラーレンのテスト兼リザーブドライバーだったデ・ラ・ロサは、走行後にニューウェイからひとつの質問を受けたという。「彼は僕に『なぜターン1でこれ以上速く走れないんだ?』と聞いた」「僕は『ターン1に進入してステアリングを切るとアンダーステアになってしまうからです』と答えた」するとニューウェイは、そのコーナーの頂点でどれくらいステアリングを切っているかを手で示すよう求めた。「僕が手で示すと、彼は『6度だな』と言った」「そして『風洞では6度以上ステアリングを切る状況になると、クルマが十分なヨーを発生できず、向きを変えられないことが分かっている』と説明した」ニューウェイはその情報を持ち帰り、次戦までにフロントウイングへ変更を加えた。「次のレースではクルマのステアリング感度が大きく改善されていた」「それがエイドリアンなんだ。彼はドライバーの話を聞く」アストンマーティン再建への期待デ・ラ・ロサは、ニューウェイの最大の強みはアイデアを実際の成果へ結びつける能力にあると語った。「ニューウェイを特別な存在にしているのは、本当に結果を出すことだ」「彼がチームにいるのは素晴らしいことだ」「彼は偉大なリーダーであり、僕たち全員にとって本当の刺激になっている」「そしてアストンマーティンに加わった多くの若いエンジニアたちにとっても大きなインスピレーションになっている」現在のAMR26は、2026年シーズンの中でも期待を大きく下回るマシンとなっている。ニューウェイの長いF1キャリアにも成功だけでなく失敗は存在するが、状況を立て直せる人物がいるとすれば、それはニューウェイ自身だというのがデ・ラ・ロサの見方だ。ただし、その成果が現れるまでには時間が必要になるかもしれない。