アストンマーティン・ホンダF1は2026年F1バーレーン・プレシーズンテスト2日目、フェルナンド・アロンソがAMR26をドライブし、合計98周を走破した。午前55周、午後43周を重ね、ベストタイムは1分38秒248。走行距離の確保という点では一定の成果を挙げた。しかし、パドック内で伝えられる空気は穏やかではない。
スペインの放送局DAZNのアントニオ・ロバトは、アロンソがマシンから降りた後、グローブを本来置くべき場所とは違う位置に投げたと明かした。さらにロバトは次のように伝えている。「フェルナンドに近い人物と話したが、感触はこうだった。“また地獄の1年だ。また苦しむ1年だ”」複数の関係者は、ホンダ製パワーユニットが大きな弱点になっていると指摘している。スカイ・イタリアのマッテオ・ボッビは、匿名のチーム関係者の証言としてこう伝えた。「ホンダのエンジンは本当にひどい」一方で、公式コメントはより冷静だ。「今日もAMR26に戻ることができて良かったし、しっかりと周回を重ねることができた」とアロンソは語った。「プログラムを進めながら、より長い連続走行にも取り組み、さまざまなセットアップを試した。テストは常に学びの場であり、今日も例外ではない」「まだ多くの作業が必要なのは明らかだし、ペースを改善しなければならない。今後数日で全てを分析し、来週のテストとメルボルンでの開幕戦に向けて万全の準備を整える」走行距離は確保も、ペース不足は明確ロングランを含むプログラムは順調に消化されたが、チームは依然としてパフォーマンス不足を認めている。開幕戦オーストラリアGPまで残された時間は限られている。チーフトラックサイドオフィサーのマイク・クラックも現状を認めた。「フェルナンドとともに98周を完了できた。新レギュレーション下では1周1周が非常に重要であり、メルボルンまで残された時間は多くない」「テスト段階とはいえ、我々にペースが足りていないことは理解しているし、改善すべき分野も把握している。チーム全員が全力で取り組み、最高の状態でレースに臨めるよう準備している」PUだけではない 深刻な複合トラブルしかし問題はパワーユニットだけではない。ランス・ストロールは、新車のどこが気に入っているかと問われ、こう答えた。「カラーリングだ」続けて現状の厳しさを隠さなかった。「エンジンに問題があるし、それだけじゃない。今のところトップから4秒、あるいは4秒半遅れている」「他チームがどんな燃料搭載量で走っているのか、どう管理しているのかは分からない。だが、今はその4秒に対処しなければならない。空から突然降ってくるとは思わない」アストンマーティンは新時代に向けて独自ギアボックスも投入しているが、挙動にも課題が残る。「今のところ、クルマはうまくダウンシフトしない」問題は単一要素ではないと強調する。「問題は複合的だ。エンジン、グリップ、バランス、クラッチ。ひとつの要因ではなく、組み合わせだ」それでもシーズンを完全に諦めたわけではない。「水晶玉は持っていない。数週間で変わるか? もちろんだ。100%改善するか? それは分からない」「シーズンを通して改良を投入していく。オーストラリアでどの位置にいるか見てみよう」走行距離という“数字”と、現場から漏れ伝わる“危機感”。そのギャップがAMR26の現状を物語っている。最終日となる3日目はストロールがステアリングを握る。開幕まで残された時間は限られている。アストンマーティンがこの“4秒”をどこまで縮められるかが焦点となる。