アストンマーティンF1のランス・ストロールが、今季ここまで深刻な不振に陥っている。アルピーヌ加入1年目のフランコ・コラピントを除けば、最も長くポイントから遠ざかっているドライバーであり、チーム内ではフェルナンド・アロンソとのギャップが開く一方だ。チームはすでに来季の戦いよりも2026年の新規則対応に軸足を移しているが、その過程でストロールとアロンソのフラストレーションが噴き出しているのは明白だ。そんな状況下で、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが示した“核心を突く指摘”が注目を集めている。
ストロールの現状は「災害レベル」 ラルフが突きつけた厳しい現実アストンマーティンは来季のドライバーラインナップをストロールとアロンソで固定しているが、2027年以降については他の選択肢を検討しているとされる。そうした文脈の中、ラルフ・シューマッハはPodcast「Backstage Boxengasse」で次のように語った。「アストンマーティンはドライバーを探している。予選パフォーマンスは“ゼロ対無限大”だ。これは簡単な話で、災害だ」「アロンソは確かに特別な才能だがキャリア終盤にいる。それでも常に彼より遅いのであれば、バラ色のメガネを外し、現実と向き合うべきだ」「ストロールは問題のすべてではない。マシン自体も課題だ。しかし、父親としてのプライドが現実よりも強くなっている点も否定できない。彼は良いポイントスコアラー、良いセカンドドライバーにはなれるかもしれないが、外から見れば“2人とも入れ替えるべきでは”と言われてもおかしくない」アストンマーティンは2026年に向け、エイドリアン・ニューウェイが新車を開発中であり、ホンダも新PU準備を進めている。チーム関係者の期待は高まる一方で、現行ラインナップのままトップ争いへ踏み込めるのかという不安もくすぶる。“予選0勝”が示す決定的差 アロンソに太刀打ちできない構造的問題ストロールは今季、予選でアロンソを一度も上回れていない。この差はチームの指針にも影響する。アストンマーティンはトップ4入りを狙うチームでありながら、今季はウイリアムズやレーシングブルズにも総合力で対抗しきれず、コンストラクターズ7位に沈んでいる。アロンソが限界まで引き出してなお苦しむマシンで、ストロールはさらに後方へ沈む。“2台のうち1台しか戦えない”状況は、戦略の幅を奪い、チーム全体の評価にも直結する。ストロールの不振が即チームの低迷原因とは言い切れない。しかしアロンソとの極端な差は、2026年に向けた成長の足かせになりつつあるのは事実だ。浮上するルクレール加入説 2027年の「ストロール後任問題」ラルフ・シューマッハは別の文脈で、シャルル・ルクレールがアストンマーティンと“つながりがある”と発言している。この発言はイタリアメディアでも話題となり、ジョン・エルカーンがブラジルGP後にフェラーリのドライバー陣を厳しく批判した背景に、こうした動きがあるのではないかとの見方も出た。アストンマーティンが将来トップ4の一角に食い込むためには、絶対的なリードドライバー+強力なセカンドという布陣が必要になる。2023年の好調時でさえ表彰台に登ったのはアロンソだけであり、ストロールはチームの上昇局面を結果で支えられなかった。この事実は、チームが2027年以降のドライバー刷新を現実的に検討せざるを得ない理由になっている。ストロール自身もキャリア存続の瀬戸際に立たされつつあり、“父ローレンスの決断が試される局面”が近づいている。
全文を読む