ルノーのF1チーム「アルピーヌ」は、来週末に迫ったベルギーGPを前に、不安な空気に包まれている。その背景には、ルノーCEOのルカ・デ・メオが突然辞任したことに加え、極めて厳しい財務状況が明らかになったことがある。「昨日、ルノー・グループの株価は暴落した」と語るのは、Setanta SportsでF1を担当するエルミール・ヴァリエフ。
「下落ではなく、ほぼ20%の暴落だった。そして翌日になっても回復の兆しすら見えなかった」実際、ルノーは2025年前半のキャッシュフローがわずか4700万ユーロだったと公表しており、これは当初予想を数億ユーロも下回る水準だ。「ほとんど災害だった」とヴァリエフは述べた。デ・メオの後任には暫定CEOが任命されたものの、ルノーは「新CEOの選定プロセスはすでに本格的に進行中だ」と説明した。ルノーがF1事業を見直す可能性が急浮上しているのは、こうした文脈による。「こういう状況下では、“ノンコア資産”を手放すしかない」とヴァリエフは指摘する。「そしてルノーにとって最大のノンコア資産がF1チームだ」「会社が莫大な損失を抱え、キャッシュフローにも問題を抱えている中で、何億ドルも投資してきたF1チームが、今やF1人気の高まりによって15億ドル相当の価値を持つ存在になった。そして、ルノーがコア事業と見なしていないそのチームを欲しがる投資グループが、群がるように買収の意思を示している」「そのとき、自分ならどうするか?」と彼はTelegramで問いかけた。また、F1界隈では別の噂も渦巻いている。もしメルセデスが2026年にマックス・フェルスタッペンを獲得することに成功した場合、チーム代表のトト・ヴォルフがフラビオ・ブリアトーレと手を組み、キミ・アントネッリをアルピーヌにレンタル移籍させる可能性があるというのだ。18歳のルーキー、アントネッリは現在メルセデスでルイス・ハミルトンの後任としてF1デビューを果たしているが、プレッシャーの大きさとパフォーマンス不足に悩んでいることを明かしている。「まるでサメが泳ぐ海の中で泳いでいるような感じだった」とCorriere della Seraに語るアントネッリ。「ほんの一瞬で罠にはまり、食い殺されてしまうような世界だった」「イモラでそのことに気づいた。自分のためだけの時間を取ることがいかに大切か。静かな場所で、ひとりきりになって、完全に頭を切り替える時間が必要だと実感した」