元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、アルピーヌF1を巡る一連の騒動、特にジャック・ドゥーハンの降格劇を受けて、フラビオ・ブリアトーレの復帰について疑問を呈した。現在75歳のブリアトーレは、1990年代から2000年代にかけてベネトンやルノーで成功を収めたF1界の重鎮だが、オリバー・オークス代表の辞任を機に「より深くチームに関与していく」と宣言していた。
しかしシューマッハは、彼が再びフルタイムでチームを率いるのは現実的ではないと断言する。「アドバイザーとしての役割、そして豊富な経験において彼が素晴らしい仕事をしているのは確かだ。ただし、チーム代表として日々の業務に積極的に関わるには、年を取りすぎている」と、Sky Deutschlandで語った。ブリアトーレは昨年、心臓の手術を受けており、健康面の懸念もある。ドゥーハン降格とコラピント昇格の裏でアルピーヌF1では今週、ジャック・ドゥーハンをリザーブドライバーに降格し、代わってフランコ・コラピントを5戦限定でレースシートに昇格させる決定がなされた。この判断を巡っては、ブリアトーレとオークスの間で当初から意見の対立があったとの憶測が広がっていた。そうした噂の高まりを受け、ブリアトーレとオークスはそれぞれ声明を発表。「オリバーの辞任が意見の対立によるものだという見方は、完全に事実無根だ」とブリアトーレは述べ、オークスも「辞任は個人的な決断」だと強調している。ただ、シューマッハはドゥーハンの降格については一定の理解を示す。「彼は確かにとてもいい人間だ。だが、F1にふさわしい実力があるかというと、そうは言えない」と、伝説的バイクレーサー、ミック・ドゥーハンの息子についてコメントした。一方で、フランコ・コラピントについては「ブリアトーレが彼を信頼していること、そして彼が多額の資金をもたらしていることも事実だ」と明かしている。「フラビオは何でも自分でやろうとする」最後にシューマッハは、オークスの辞任劇の背景にブリアトーレの性格的要素があったと指摘する。「フラビオは常に自分のやり方を貫く人物であり、それがオリバー・オークスが退任を決断した理由の一つだと私は考えている。本人も、オークスの辞任に特別な反応を示していないようだった」「私の耳に入っている限りでは、フラビオはあらゆる事柄を自らの手で取り仕切ろうとしている。ただ、それがチームにとって最善とは限らないと感じている」