フェルナンド・アロンソとリアム・ローソンの関係が、かつての緊張状態から一転して和解に向かっている。これまで2人の間には複数の接触やトラブルがあり、F1界のベテランであるアロンソがルーキーのローソンを「バカ」と呼ぶ場面もあった。一方のローソンも、アロンソが「報復しようとしてきた」と非難するなど、関係は険悪だった。
しかし、F1オーストリアGPでポイント圏内をかけてバトルを繰り広げた後、2人はメディアエリアで長く親しげな会話を交わしたとされる。DAZNによれば、アロンソはエネルギーマネジメントシステムとDRSの影響で「レーシングブルズの後ろに必死で食らいついていた」とローソンに説明したという。「本当?速く見えたけど」とローソンが驚くと、アロンソはこう答えた。「ターン4からターン9までは予選ラップのようにプッシュしていた。パワーボタンを押して君についていこうとしていたけど、ターン9からターン4まではもう息をつく間もなかった。もし僕がターン1で仕掛けていたら、2周以内に君に抜き返されていたと思う」ローソンは笑いながら「マジか、それは知らなかった。ありがとう、抜いてくれなくて!」と返した。レースではローソンが6位、アロンソが7位でフィニッシュしている。アロンソはレース後のインタビューで、ローソンとのバトルをこう振り返った。「今日はまるで、自転車でグループライドしてて一番後ろに張り付いたまま、前に出られず100km走るような感覚だった」「ローソンとはそういう感じだった。僕には前に出るペースがなかったんだ」とアストンマーティンのベテランは語った。これまでの確執についても、ローソンはスペイン紙『Marca』にこう語っている。「確かに僕のスタイルはアグレッシブだけど、子どもの頃からルイス(ハミルトン)やフェルナンド(アロンソ)に憧れていた。2人のことは本当に尊敬している」今季、ルーキーながらも存在感を高めつつあるローソンと、経験豊富なアロンソ。かつて火花を散らした2人の関係が、今回のGPをきっかけに穏やかに変化していく可能性がある。
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