フェルナンド・アロンソは、実際にマクラーレンを陰で操っているのはアロンソなのではないかとの憶測を否定。マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンに全幅の信頼を寄せており、彼ならばマクラーレンをグリッドの先頭に返り咲かせることができると主張した。今季、成績不振によるプレッシャーが高まっているマクラーレンは、母国レースを直前に控えた6月4日(水)にレーシングディレクターを務めてきたエリック・ブーリエの辞任を発表。ブーリエが辞表を提出いたと発表されているが、事実上の更迭と捉えられている。
マクラーレンはこれを機にマネジメント体制を再編。これまでエリック・ブーリエが担ってきた役割は、新設されたスポーティングディレクターに任命されたジル・ド・フェラン、パフォーマンスディレクターに昇格したアンドレア・ステラ、そして、COOであるサイモン・ロバーツの3人によって分担することになった。この顔ぶれはフェルナンド・アロンソの影響を強く受けているように見える。2度のCARTチャンピオンであるジル・ド・フェランは、2017年にフェルナンド・アロンソがインディ500に挑戦した際に彼をサポートした人物であり、今年になってマクラーレンのアドバイザーに任命されていた。アンドレア・ステラは、フェラーリ時代からアロンソのレースエンジニアを務めており、2015年に彼と一緒にマクラーレンへ移籍している。6月5日(木)に行われたメディアセッションでジル・ド・フェランのスポーティングディレクター就任について質問されたフェルナンド・アロンソは「どうだろう。僕はクルマを運転するだけだからね」とコメント。「ザクが、チーム内に別の仕事を他の人にさせると決めたのであれば、それは彼がそうするのがベストだと考えたかだ。僕はザクのことを100%信頼しているし、エリックのことも100%信頼していた。僕はいつだってボスたちのことを信頼している。全ての情報を持っているのは彼らだからね。僕たちはただのクルマを運転するだけだ」実質的な自分がチームリーダーなのではないかとの質問されたフェルナンド・アロンソは「いいや、そんなことは考えていない」と否定。「でも、間違いなく僕は現場のどのエンジニアよりも経験は豊富だ。ていうか、僕のレースエンジニアはF1で6年だし目、パフォーマンスエンジニアは4年目、タイヤエンジニアは9年目。そして、僕は今18年目だ」「だから、状況によっては僕の以前のチームの経験、違うタイヤや様々な気象条件、予選コンディションやストレスが多い瞬間など、自分の経験をフィードバックしようとする。それは他のドライバーも変わらないと思う」メディアセッションの最後、フェルナンド・アロンソはルノー時代のボスだったフラビオ・ブリアトーレを重ね合わせて、ザク・ブラウンのリーダーシップへの信頼を口にした。「ザクとは会ってからの期間は短いけど、とても親密な関係を築いている。前にも言ったけど彼はレーサーであり、レースのコミットメントやスピリットを理解している。マクラーレンの将来にとって彼はいいリーダーになると思う。僕は彼のことを信頼している。クルマをデザインするのは彼ではないけど、フラビオもクルマのデザインはしていなかった。それでも彼はリーダーだった。ザクもリーダーだと思うし、これから良い時代がやってくるはずだ」