バーバー・モータースポーツ・パークでの第8回Honda Indy Grand Prix of Alabamaの決勝日、マクラーレン・ホンダ・アンドレッティチームのドライバーとして今年のインディ500への参戦を表明した2005年、06年F1チャンピオン、フェルナンド・アロンソの記者会見がとても和やかな雰囲気でとり行わた。「皆さん、こんにちは。アラバマには初めて来ました。今度はサーキットだけではなく、もっといろいろなところを見て回りたいと思っています」とフェルナンド・アロンソは話し始めた。
「インディ500への参戦を発表してからというもの、驚くような10日間を過ごしています。私自身もエキサイトしています。レーシングドライバーならどこの国の出身であっても、世界のベストと言われるレースで戦いたいと考えるものだからです。最高のドライバーたちを相手に、ベストのマシン、世界最速のマシンで戦うことが目標なのです。インディ500に挑戦するという冒険が今から楽しみでなりません」フェルナンド・アロンソは記者からの質問にも真摯に、時にはユーモアも交えながら答えていた。「マシンに慣れ、スーパー・スピードウェイに親しみ、そこで必要となるあらゆるテクニックを身につける。とても大きなチャレンジですが、私にはマクラーレン・ホンダ・アンドレッティというベストのチームがついています。すばらしい人々が私のスピードアップに多くの助言をしてくれることでしょう。2週間ほどの間にすべてをやり遂げなくてはいけないわけですが、できる限り短時間で学んでいきたいと考えています」「乱気流、壁に囲われたコースで行う高速での戦い、すべてが難しいでしょう。F1とはなにもかもが違います。トラフィック、ダウンフォースのレベル、マシンのフィーリング、左右非対称のマシンで走るストレートとブレーキングなどが私にとって大きなチャレンジになると思います。なかでもトラフィックが難しいでしょうね。既に多くの人たちから、その点については聞かされています。それらをできる限り早く体験し、身に付けたいですね。リスタートも難しいでしょう。作戦面もF1とは異なります。それでも、私には最高のチームという味方がいます。さらには、元インディカー・チャンピオンでインディ500で勝ったことのあるジル・ド・フェランがコーチについてくれるのですから、新しいことを学ぶのには最高の環境が揃っています」意気込みを語るフェルナンド・アロンソの眼は輝いており、100年を越す歴史を持つインディアナポリス・モーター・スピードウェイを走り、500マイルのレースを戦う日を待ちわびていることが伝わってきた。そして会見の後、フェルナンド・アロンソはアメリカ流のレースを少しでも学び取ろうとライアン・ハンターレイのピットでチームの無線交信を聞きながらレースをゴールまで観戦すると、以下のようにコメントした。「インディカーのレースはさまざまな作戦が交錯しており、とても楽しいと感じました。レース中に何度もポジションが入れ替わるところも興味深く見ていました。インディ500は世界最大のレースです。私はそうしたレースに参戦できるチャンスを得られたことを栄誉と感じています。F1でいくつかの実績を挙げてきましたが、ドライバーとしてさらに成長したいと考えており、マクラーレン・ホンダ・アンドレッティチームのドライバーとして、最良の舞台がインディ500を戦うことを誇りに思います」これからインディ500のプラクティスが始まるまでの間、フェルナンド・アロンソはヨーロッパとアメリカを何度も往復しながら準備を整え、インディアナポリスにあるHondaパフォーマンス・デベロップメント(HPD)のシミュレーターも活用して初めてのインディカー・レース、インディ500に臨む。