レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、角田裕毅のパフォーマンスを高く評価しつつ、来季2026年に向けたドライバー体制の決定を急がない方針を明らかにした。角田裕毅は今季、昇格初年度ながら苦戦が続く中でメキシコGPでは11位フィニッシュ。順位以上に内容を評価されている。メキースは「裕毅は確実に進歩している」と語り、「我々には決断を急ぐ理由がない」と強調した。
チーム内ではアイザック・ハジャーの昇格、アービッド・リンドブラッドのデビューなど複数の可能性が検討されており、角田裕毅の残留可否を含め、最終判断はシーズン終盤に持ち越される見通しだ。メキース「メキシコはここ最近で最高の週末だった」角田裕毅は今季序盤にリアム・ローソンの代役として昇格したが、ここまで18戦中6戦でしかポイントを獲得できていない。それでもメキースは、メキシコGPでの走りを「長い間で最も良い週末」と称賛し、結果以上の内容だったと強調した。「裕毅はここ最近で最高の週末を過ごした。何度か同じことを言っているが、今回は本当にそうだ。予選ではマックスとの差がコンマ2秒しかなく、決勝でも最初のスティントは非常に強力だった。中盤までのペースはマックスの2〜3コンマ遅れで、同じくミディアムタイヤで長いスティントを走っていた」とメキースは語った。さらに、「我々の戦略上の都合で彼を少し長く引っ張り、ピットストップもわずかに遅れた。そのせいで本来取れたはずのポイントを失った」と説明。11位という結果は、角田裕毅の実力を正確に反映したものではないと付け加えた。レッドブルの決断はシーズン終盤に持ち越し現在レッドブルは、2026年に向けたドライバーラインアップを慎重に検討しており、アイザック・ハジャーの昇格やアービッド・リンドブラッドのレーシングブルズ起用が有力視されている。これが実現した場合、角田裕毅またはリアム・ローソンのいずれかがシートを失う可能性もある。メキースは最終判断の時期について、「裕毅は確実に進歩しているし、他の若手たちも成長している。だから我々には決断を急ぐ理由がない。もう少し時間をかけて判断したい」と語り、角田裕毅の努力を評価しながらも、最終的な去就決定はシーズン終盤になるとの見通しを示した。角田裕毅の評価は上昇も、シート争いは依然激化メキースの発言は、角田裕毅の成長を認めつつも、レッドブル内部での競争が続いている現実を反映している。メキシコGPでのパフォーマンスは確かに改善の兆しを見せたが、チームが求める「継続的なポイント獲得」にはまだ届いていない。レッドブルは2026年に向けて体制の刷新を進めており、アイザック・ハジャーの昇格、アービッド・リンドブラッドのF1デビューという“次世代構想”が現実味を帯びている。角田裕毅にとっては、残り2戦(ブラジルGPとアブダビGP)での結果が極めて重要となる。安定したレース運びと入賞を重ねることで、自らの進化を数字として示せるか――その結果が、来季のシートを左右する決定打になるだろう。