マクラーレンのオスカー・ピアストリがF1サンパウロGPで再び苦戦し、チームメイトのランド・ノリスとの差が広がる中、マネージャーのマーク・ウェバーが次戦ラスベガスGPに向けた“再起プラン”を語った。ピアストリはここ3戦連続で5位フィニッシュ。オースティンやメキシコでの不調からやや改善は見られたものの、インテルラゴスではキミ・アントネッリとの接触で10秒ペナルティを受け、2位表彰台のチャンスを失った。これにより、タイトル争いではノリスとの差が24ポイントに拡大した。
ウェバー「彼はモチベーションを失っていない」ウェバーは英『Channel 4』に対し、「ラスベガスまでに彼を立て直す」と強調した。「彼はモチベーションを失っていない。厳しい時期を過ごしているけれど、こういう時こそが人間性や内に秘めた闘志が試される瞬間だ。F1での3年目に入っている彼には、ここで踏ん張るキャラクターを見せてほしい」とウェバーは語った。彼の言葉からは、メンタル面のリセットと経験の蓄積を重視する姿勢がうかがえる。「タイトル争いは旅のようなもの」ウェバーは、ピアストリのキャリア初期でのタイトル争いそのものが「特異なケース」だと指摘した。「もちろん、これは旅のようなものだ。キャリア初期にタイトル争いをしているというのは、非常に珍しいことだ。3年目でこれを経験しているのは、ルイス(ハミルトン)くらいだろう」「だから、あまりプレッシャーをかけすぎないようにする必要がある。自分自身の限界を理解しながら、そこに挑戦することが大事なんだ」さらに自身の経験を引き合いに出しながら、次のように語った。「僕がタイトルを争ったときは、もうキャリアの終盤だった。彼はキャリアの初期にそれを経験している。まったく違う状況だ。だからこそ、僕は彼のそばにいて支える。“背中を押す”ようなアプローチが必要なんだ」「彼の“元気”も戻ってきている。ハードに働いているし、まだキャリアは始まったばかりだ」マクラーレン内で進む“二極化”今季のマクラーレンでは、サスペンション改良以降ノリスがマシン特性を完全に掌握しており、パフォーマンス差が広がっている。ピアストリにとっては、速さよりも一貫性と心理面の回復が課題となっている。ラスベガスとアブダビ、そしてスプリントを含む残り4戦。ウェバーが語るように、ここからの数週間はピアストリにとって「キャリアの節目」となる可能性が高い。分析:ウェバーが重視する“精神的リカバリー”ウェバーの発言には、技術的な解決策よりも精神的な再構築に焦点を当てている点が特徴的だ。ピアストリは結果こそ安定しているものの、レース中の判断やリスク管理で焦りが見える局面が増えている。ウェバーは、経験値の浅さゆえに波があるピアストリに対して、冷静さと自己確信を取り戻させる役割を担おうとしている。また、ウェバー自身が“晩成型ドライバー”だった経験も重なり、若いピアストリにとって理想的なメンターとなっている。ラスベガスでは、彼の助言がどこまで効果を発揮するかが注目される。
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