マックス・フェルスタッペンがGTレースで見せている走りが、パドックに波紋を広げている。通常であれば不利となるダーティエアの中でも前車に異常なまでに接近できるその挙動は、複数の関係者が認めながらも、その具体的な方法はいまだ解明されていない。ニュルブルクリンク24時間レースに向けた準備の中で、フェルスタッペンはGTのトップドライバーたちと互角以上に渡り合っている。
その裏にあるとされる“あるテクニック”は、効果だけが共有され、正体は依然として謎のまま――GT界隈をざわつかせる最大の理由となっている。GTでも際立つ適応力 ニュルで示した存在感先週末、フェルスタッペンはノルドシュライフェでのレースに参戦し、来月のニュルブルクリンク24時間レースに向けた準備を続けた。レースでは快調にトップを走行していたが、マシンのダメージによって長時間のピットストップを余儀なくされ、勝利の可能性は絶たれた。それでも4度のF1ワールドチャンピオンは、GTの常連ドライバーたちと互角以上に渡り合える実力を改めて示した。その中で特に注目されたのが、チームメイトのダニエル・ジュンカデラが明かした“ある特徴的な走り”だった。ダーティエアでも接近可能 “弱点”を突く走りジュンカデラは数週間前、フェルスタッペンが「本来なら失速するはずのコーナーでも前車に接近できる方法」を使っていると指摘していた。NLSの解説者ピーター・マッケイも同様の見解を示している。「フェルスタッペンは乱流の中にある“弱点”を見つけたように見える。それによってフロントタイヤを傷めることなく、より近い距離で前車を追うことができている」ただし、これらはあくまで結果からの分析であり、具体的な操作そのものは依然として明らかになっていない。リアを流す?左足ブレーキ? それでも説明はつかず一部では、コーナー進入時に意図的にリアを外側へ滑らせることで、フロントへのダーティエアの影響を軽減している可能性が指摘されている。しかし、この説についてGTのベテランでありニュルブルクリンク24時間レースの勝者でもあるイェルーン・ブリークモーレンは決定的な要因とは見ていない。「もちろんクルマの向きをある程度“セットする”ことはできる」「それでも前にクルマがいる状態で走るのは難しい。彼は非常に大きな自信を持っていて、そのおかげで限界まで攻めることができているのは確かだ」さらに別の可能性として、左足ブレーキを多用しながらアクセルとブレーキを同時に操作する“オーバーラップ”も挙げられている。「ノーズを安定させるために左足ブレーキを多く使っている可能性もある。両方のペダルを同時に操作するやり方だが、多くのドライバーが行っているものでもある」つまり、どの仮説も決定的な説明には至っていない。“効果”だけが一致 正体は依然として不明興味深いのは、関係者の多くが「フェルスタッペンの走りには明確な効果がある」という点では一致していることだ。一方で、その効果を生み出している具体的な方法については誰も断定できていない。GT界のベテランドライバーでさえ説明できない“何か”が、フェルスタッペンの走りに存在している可能性がある。その答えは、5月のニュルブルクリンク24時間レースで明らかになるのかもしれない。