ヤルノ・トゥルーリは、最新のF1完走記録がスポーツの興奮を低下させていると述べた。F1ヨーロッパGPでは、レースに出走した24人のドライバー全員がチェッカーフラッグを受けた。全車完走はF1の歴史のなかでは4度目。最近では2005年のイタリアGP以来の記録となる。「僕たちはバレンシアで新しい、以前では考えられないような記録を打ち立てた」とヤルノ・トゥルーリは Repubblica のコラムで述べた。
「レースをスタートした全24台が完走した。故障もリタイアもクラッシュもなくね」「(ナレイン)カーティケヤンは、F1史で24位でフィニッシュした初のドライバーだ。これがポジティブな記録なのかネガティブな記録なのかはドライバーと彼の野心に依存することだ。僕なら嫌だね」ヤルノ・トゥルーリは、完全な信頼性がF1から人間的な要素を奪っていると主張した。「いずれにせよ、今回の記録はちょっと奇妙だし、重要な意味がある。僕の意見では、バレンシアのレースは、(セバスチャン)ベッテルの他にもう一人の勝者を示した。その勝者とはテクノロジーだ」「過去数年では人間的な要素でのバトルがx勝者を決めたが、F1ではあまり重要ではなくなっているし、予想外のことやより予測できないものに対する哲学的なバトルで勝つようになった。僕たちの世界では“メカニカルトラブル”と呼ばれているものだ」「僕が(F1で)レースを始めた10〜15年前、ドライバーはレースのスタートの仕方は分かっていたが、フィニッシュの仕方はしらなかった。事実、彼はレースをフィニッシュしたかどうかもわかっていなかった。代わりに最近では信頼性が普通のものになった。マシンには4つの車輪が備わっていて信頼性がある。最後にF1レースでエンジンが壊れたのがいつかは思い出せない。コンストレクターズは品質管理に優れているし、細部にチャンスは残っていない」ヤルノ・トゥルーリは、それがF1にネガティブな影響を与えていると考えている。「これは2つのことを意味する。1つは、弱小チームがポイントを獲得する可能性が大幅な低下、2つ目はF1の魅力のさらなる低下だ」「バレンシアのレースが一年で最も退屈なのは偶然の一致ではない」ヤルノ・トゥルーリは、F1ヨーロッパGPを20番手からスタートして20位でフィニッシュした。