2018年 FIA 世界ラリー選手権(WRC) 第13戦ラリー・オーストラリアのシェイクダウンが11月15日(木)にコフスハーバー近郊で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組 (ヤリスWRC 8号車)が2番手タイムを、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)が7番手タイムを、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(9号車)が8番手タイムを記録。明日からの競技初日デイ1に向けて、ヤリスWRCの最終確認および調整作業を行った。
WRC最終戦ラリー・オーストラリアは、マニュファクチャラー選手権をリードするチームと、ドライバー選手権3位につけているタナックにとって、タイトル決定戦となる。規則によりヨーロッパ以外の地域での事前テストは禁じられているため、15日午前中のシェイクダウンがオーストラリアでの今年最初の走行となった。また、コフスハーバーの北側に設定された全長5.07kmのシェイクダウンコースは、その一部がデイ1およびデイ3のステージと重なっているため、クルマの最終セッティングを確認するための良い機会となった。3人のドライバーはいずれも4回の走行を行ない、明日からの競技に向けて最後の準備を終えた。競技初日となる11月16日(金)のデイ1はサービスパークの北側、ウールグールガ周辺で3本のステージを各2回走行。1日の最後には、コフスハーバーのウォーターフロントで全長1.27kmのスーパーSSを2本連続で走る。デイ1のステージはその大部分が森の中のグラベルロードで行なわれ、SS1/4「オラーライースト」は、ステージの一部がシェイクダウンやデイ3のSS21/24「ウェディングベルズ18」と重なっている。8本のSSの合計距離は101.68km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は350.31kmとなる。トム・フォウラー(チーフ・エンジニア)他のラリーと同じように、シェイクダウンではシステムチェックを実施しました。このラリーのように欧州から遠く離れたイベントでは、輸送のためにクルマを分解する必要があるため、システムチェックは特に重要な作業となります。シェイクダウンで我々のドライバーは良いタイムを刻みましたが、ライバルとの大きな差はつきませんでした。ここ数戦、グラベル(未舗装路)でのパフォーマンスはかなり上がっており、そこで得られたデータを基にこのラリーに最適と思われるセットアップを施しました。そして、シェイクダウンではそれが上手く機能している事が確認できました。現時点での懸案事項は天候の変化で、ラリー期間中に不安定な天気の影響を受けるおそれがあり、それが我々の戦略およびタイヤ選択にどう影響するのか熟考する必要があります。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)全体的にとても良いシェイクダウンとなり、最初の走行時からクルマに良いフィーリングを感じました。その後いくつかセッティングを試し、最後の走行で満足できるセットアップに到達しました。ヘアピンコーナーでミスをしてタイムを失いましたが、クルマは良い仕上がりです。このラリーはデイごとにステージのキャラクターが異なるのですが、ステージは素晴らしく、大好きなイベントのひとつです。ただし、今年は多くのステージが逆向きの走行となるためいつもと違う感じがしますし、雨が降ればさらに難しくなるため、例年よりも厳しい戦いになると思います。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)良い内容のシェイクダウンでした。一部が他のステージと重なるなど、このラリーを代表するコースで行なわれたため、クルマに対する理解をさらに深め、いくつかセッティングを決める事ができました。変化を確認するために何度かセッティングを変更しましたが、全体的にとても良いフィーリングでした。ここは通常素晴らしい天気が続き、それを楽しみにしているのですが、今年は雨が降る可能性もあり、少々複雑なコンディションになりそうです。状況は変わりやすく予想は難しいですが、リスクを背負ってでも、自分達の重要な仕事を成し遂げたいと思います。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)シェイクダウンのコースのグリップレベルの高さに皆が驚いたと思います。あのエリアでは今週末多くのステージが予定されているので、きっとドライブを楽しめるでしょう。クルマは万事順調です。いくつか小さな調整を試しましたが、あまり効果がなかったので以前のセッティングに戻しました。今週末は 天候の変化が大きな鍵を握るでしょう。私は昨年、このラリーでウェットコンディションを経験しましたが、非常に滑りやすく、ドライバーにとってはコントロールがとても難しい路面となるので注意が必要です。
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