5月10日(金)、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで、FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦スパ・フランコルシャン6時間レースの予選とハイパーポールが行われ、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRIDは8号車がハイパーポールへ進出し7番手、7号車は15番手グリッドから明日の決勝に臨むこととなった。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は予選で2番手タイムをマークし、ハイパーポールへの進出を果たしたものの、ハイパーポールセッションでは7番手となった。また、小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は15番手となった。ハイパーカーのライバル達の強力なパフォーマンスの前に苦戦を強いられた予選結果となり、TGRの2台のGR010 HYBRIDは、トップ6圏外から決勝をスタートすることになるが、ハートレーが予選で、タイヤ摩耗が著しいスパに最も適合したミディアムタイヤで好パフォーマンスを見せたことは明るい材料であり、明日のレースで上位争いに挑む。ここスパで7連勝中のTGRは、3週間前の前戦イモラでも、的確なレース戦略とミスの無いドライビング、迅速なピット作業によってパフォーマンス不足を補い、今季初優勝を飾っており、今大会もその再現が期待される。暖かな気候の下、ドライコンディションで午後3時50分より開始された予選は、TGRの2台にとって明暗の分かれるセッションとなった。8号車のハートレーは最初のアタックラップで2分2秒586という好タイムをマークし、その時点でのタイムシートのトップに立った。セッション終盤、ライバルにかわされたものの、僅差となった予選を2番手で終え、ハイパーポールセッション進出を決めると共に、決勝での自信も深めることとなった。一方7号車の小林は、最後までクリーンラップを得ることができず、諦めずにアタックを続けたが、タイヤグリップのピークを過ぎてしまい、タイム更新はならず。15番手でハイパーポール進出を逃した。予選上位10台によって争われたハイパーポールでは、規定により全車がソフトタイヤを装着してのアタックとなり、ハートレーは最初のアタックラップでベストタイムをマーク。その時点では暫定2番手だったが、セッション後半はライバル勢がタイムを上げてきたことで順位を落とし、最終的に8号車は7番手グリッドとなったオーバーテイクが比較的しやすいスパだが、タイヤの摩耗対策が大きな課題。TGRは、11日(土)午後1時(日本時間午後8時)にスタートが切られる決勝レースで追い上げ、世界選手権ポイントを獲得するためにもドライバー、エンジニア、そしてメカニックと、チーム一丸となって全19台のハイパーカーによるバトルへ挑む。小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)予選でのクルマの感触があまり良くなく、苦戦しました。何が原因だったのか、解決策を見出しているところです。残念ながら15番手と後方からのスタートとなりますが、6時間の長いレースですし、ここスパはイモラよりもずっとオーバーテイクがしやすいサーキットなので、明日の決勝では挽回できることを願っています。タイヤの摩耗は激しいですが、我々はこのコースでの経験が豊富ですし、それらを活かして上位争いを目指します。ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)7番手グリッドという結果は望んでいたものではありませんでしたが、チームを誇りに思います。予選でのミディアムタイヤ装着時は、本当に素晴らしいクルマでした。素晴らしいラップを刻むことができ、セッション2番手という結果には満足しています。ハイパーポールでは全車がソフトタイヤを装着することになりましたが、ずっとソフトタイヤは使っていなかったので、満足いくクルマにはなりませんでした。何台かが予選に匹敵するタイムをマークしていたのには驚きましたが、私にはできませんでした。クリーンなラップも取れませんでしたが、最終的にはできることは全てやりました。ミディアムタイヤ装着時の感触は満足いくものですし、決勝での戦いには自信があります。
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