8月20日(土)と21日(日)の両日、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラの第4戦「ツインリンクもてぎ2&4レース」が開催される。全7戦で戦われる2016年シーズンのスーパーフォーミュラも、折り返しの4戦目を迎える。この第4戦は、後半戦へ向けた新スペックエンジンが投入されるタイミングとなっており、後半戦を占う意味でも非常に重要な一戦となる。
新スペックエンジンと2スペックタイヤで注目の1戦加えて、今大会は新たな試みとして通常1スペックのタイヤで争われてきたスーパーフォーミュラで、1段階柔らかいソフトタイヤが追加導入される。このソフトタイヤは、前戦富士のあとにテストが行われ、その結果を踏まえるとタイムアップが図られることは間違いない。決勝レースではこの新しいソフトタイヤと、従来のミディアムタイヤの両方を使用しなくてはならず、タイヤ戦略も非常に興味深いレースとなるだろう。追い抜きの難しいコースということで、予選から激しい争いが繰り広げられるはずだ。また、8月後半ということで、シリーズで最も暑いコンディションのレースとなることが予想される。タイヤやエンジン、ブレーキ、そしてドライバー自身にも大きな負担を強いる酷暑のレースで、後半戦へ向けて誰が抜け出すか、注目の一戦だ。珍しいオーバル併設のテクニカルコース1997年オープンと比較的新しい施設であるツインリンクもてぎは、1.5マイル(約2.4km)のオーバルコースと4.801kmのロードコースが併設された、世界でも珍しいサーキット。メインストレートはオーバルのストレートと並行し、コース途中2回にわたってトンネルでオーバルコースの下をくぐる。ロードコースではSUPER GTの他、二輪の世界選手権日本グランプリも開催されている。比較的タイトなコーナーやヘアピンをストレートで結んだストップ&ゴーが繰り返されるサーキットのため、ブレーキやタイヤ、ドライバーへの負担も大きい。観戦ポイントは数多く、後半セクションはコースの比較的近くで観戦できる他、オーバルコース脇は高さがあり、コースの広い範囲を見渡すことも出来るなど、バリエーションに富んでいる。現在レースには使用されていないオーバルコースにはストレート付近に観戦スタンドが設けられる他、第3-4ターンには特設駐車場も用意され、自分の車でオーバルに乗り入れることが出来るのもユニークな点だ。好調オリベイラ&もてぎが得意なインパルチームの組合せが優勝候補筆頭石浦、中嶋一貴、ロッテラーらとの好バトルに期待もてぎと言えば、SF14以前はアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が通算6勝と圧倒的な強さを見せてきたが、SF14初年度となった2014年は欠場。この年はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がポール・トゥ・ウィンでもてぎでの自身5勝目を挙げた。オリベイラは今季、前戦富士も制するなど勢いに乗っており、また、チーム・インパル自身がもてぎを得意としていることもあって、今大会の優勝候補最有力と言える。対抗馬の本命は、昨年ポール・トゥ・ウィンでもてぎを制したディフェンディングチャンピオンの石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。そして昨年この石浦を最後まで追い、2位に入った中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)も外せない。今季新しいタイヤとなったことで、シーズン序盤苦しんだトムス勢だが、前戦富士で中嶋一貴が2位に入るなど調子を取り戻してきており、ロッテラー共々優勝争いに絡んでくるはずだ。そして、もてぎが得意なインパルチームのもう一台、ルーキーながらファイティングスピリット溢れる走りで今季台風の目となりつつある関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)も注目だ。前戦富士で3位表彰台を獲得した勢いで今大会も魅せてくれるだろう。また、今季は未だノーポイントと苦戦を強いられている小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)も、昨年のもてぎ戦では初走行のコースながら予選3番手を獲得。決勝は不運なピットトラブルなどで順位を落としたが、ここから、速さを取り戻す一戦となることを期待したい。
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