トヨタは19日(火)、スポーツカーシリーズとして、新たに「GR」を投入すると発表した。「GR」は、“もっといいクルマづくり”を目指すGAZOO Racing Companyが、ニュルブルクリンク24時間耐久レースや、全日本ラリーなどのモータースポーツ活動を通じてクルマと人を鍛え、そこで得た知見やノウハウを注ぎ開発した新しいスポーツカーシリーズとなる。
では、佐藤健がCMで「何だよ、GAZOOって?」と語りかけるトヨタが多用する『GAZOO』の名前の由来はどこから来ているのだろうか。GAZOOという名前が誕生していたきっかけは、トヨタがディーラーの業務改善を支援する「チームCS」という組織を設立し、当時課長だった豊田章男社長が有志と共に開発した中古車画像システムにある。デーラーのキャッシュフローの改善の改善に取り組んでいたチームCSは、下取り車が売れるまでの日数や中古車展示場が満杯という問題を抱えていた。そこであるディーラーで、チームCSのメンバーが下取り車を片っ端からデジタルカメラで撮影して、店頭でその“画像”を見えるようにした。すると、展示スペースはそのままで、販売台数が1.7倍、売れるまでのリードタイムは半分になったという。そこでその画像をインターネットにも載せることにした。だが、中古車サイトでトヨタブランドを使用する声に社内で猛反発があり、“画像”がGA(画)のZOO(動物園)と言う意味で“GAZOO”となったという。そして、Gazoo.comが生まれた。後にトヨタの総合自動車サイトへと発展している。「当時は、そのシステムを“画像”システムと読んでいました。世間に告知する段階になって、“画像”じゃしょうがないから、GAZOと呼ぶか、いや、GA(画)のZOO(動物園)と言う意味で“GAZOO”にするかと言う様に、あまり考えずに決めたような気がします(笑)」と豊田章男社長はGazoo.comで語っている。その後、トヨタ社内のテストドライバーやメカニックらで編成したチームでニュルブルクリンク24時間レースに参戦。当初はトヨタの公式なレース活動とは認められず、GAZOO Racingとして参戦。中古のアルテッツァで出場したという。当時、副社長だった豊田章男氏も「モリゾウ」という別の名前を使用して出走した。いわば、全てが当初トヨタブランドを名乗ることのできない活動に使用された名前がGAZOOということになる。だが、2015年にはトヨタの全モータースポーツ活動を「GAZOO Racing」の傘に一本化。2017年にはモータースポーツ活動を集約する「GAZOO Racing Company」も設立された。中古車を売るための『画像』が『GAZOO』という名のインターネットサイトを経て、『GAZOO Racing』というトヨタのモータースポーツと“もっといいクルマづくり”を体現するブランドネーム『GR』へと成長した。
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