2022年 FIA 世界ラリー選手権(WRC)第12戦 ラリー・スペインの競技最終日デイ3が10月23日(日)にスペイン北東部のサロウを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ベンジャミン・ヴェイラス組(GR YARIS Rally1 HYBRID 1号車)が優勝。カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合3位で、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)は総合6位でフィニッシュし、チームは2年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
ラリー・スペインの最終日は、サービスパークの西側エリアで2本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。4本のステージの合計距離は56.10kmだった。最終日の路面コンディションは全体的にドライ、オープニングステージのSS16は日が昇る前の朝7時のスタートとなった。 デイ1、デイ2と首位を守り続けたオジエは、総合2位のティエリー・ヌービルに20.7秒、総合3位のロバンペラに22.1秒という差を築いており、オープニングのSS16とSS17は路面が非常にダーティだったため、安定性を重視してクレバーに走行。その結果、ヌービルとの差は14.1秒に縮まった。しかし、ステージの全体像を把握して臨んだ再走ステージ一本目のSS18では、ベストタイムを記録して15.8秒差に押し戻した。そして迎えた最終のパワーステージ、SS19でもベストタイムを記録。オジエは今シーズン初の、そしてGR YARIS Rally1 HYBRIDでの最初の勝利をあげた。オジエの優勝は昨年の最終戦ラリー・モンツァ以来となり、ラリー・スペインでの優勝は4回目、WRC通算優勝回数はこれで55回に。また、今シーズンからオジエとコンビを組んだヴェイラスにとっては、初めてのWRC優勝となった。 デイ2最後のステージで総合2位から総合3位に順位を下げたロバンペラは、挽回を期してデイ3に臨んだ。しかし、2本目のSS17で排水溝の蓋の上を通過した際タイヤにダメージを負い、10秒以上タイムロス。ヌービルとの差は14.7秒に広がり、逆転は困難な状況となった。それでもロバンペラは最後まで攻めの走りを続け、最終のパワーステージを3番手タイムで走破。その瞬間、オジエのフィニッシュを待つことなくチームのマニュファクチャラーズタイトル獲得が決まった。トヨタにとっては昨年に続き2年連続、通算6回目のマニュファクチャラーズタイトルとなり、WRC歴代3位の記録となる。また、2017年にTOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamとしてWRCに復帰してからは、3回目のマニュファクチャラーズタイトル獲得となる。また、前戦ラリー・ニュージーランドでロバンペラがドライバーズタイトルを、ハルットゥネンがコ・ドライバーズタイトルを既に獲得していたため、チームは今年も3つのタイトルを全て手にすることに成功した。 デイ2でタイヤにダメージを受けて大きく遅れたエバンスは、ロバンペラと同じ場所でまたしてもタイヤにダメージを負ってしまったが、順位を下げることなく総合6位でフィニッシュ。また、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next GenerationからGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場の勝田貴元は、デイ2からひとつ順位を上げ、総合7位でラリー・スペインを締めくくりった。 豊田 章男 (チームオーナー) チームのみんな、マニュファクチャラーズチャンピオンおめでとう! 昨年同様にドライバーズ、コドライバーズ、マニュファクチャラーズの全てのタイトルを獲ってくれて本当に嬉しく思います。そして、なにより“GRヤリスがトリプルチャンピオンカーになったこと”が嬉しくて仕方がありません。みんなに心から感謝します! チームタイトルを決めてくれたのはセブとベンジャミンでした。振り返れば、新しい規定のクルマで臨んだ初戦モンテカルロでポイントを獲ってくれたのもセブ。そして、最後にチャンピオンを決めてくれたのもセブ。本当に頼もしい存在です。ありがとう。カッレとヨンネは6回の優勝でチーム最大の功労者です。エルフィンとスコットは苦しいラリーもありました。ですが、苦しい中でも諦めずに走り切ってくれたポイントが貴重なものになっています。エサペッカとヤンネも悔しいラリーが多かったと思いますが、3度表彰台に上がりチームポイントを獲得してくれました。貴元とアーロン。二人はチームポイントには加わらない参戦ですが、君たちが得点圏内に入り続けてくれたことがチームチャンピオンを引き寄せてくれました。 4台のGR YARIS Rally1 HYBRID、10人のドライバー、それを支えた全てのスタッフ、パートナーの皆さま、そして応援しつづけてくれた全世界のファンの皆さま、みんなで獲った2022年のチャンピオンです。皆さん、本当にありがとうございました! 日本では多くのファンが3週間後のラリージャパンを待っています。チャンピオンに相応しい走りを日本の多くのファンに見てもらいたいと思います。チームのみんなは、そのために、今夜は大喜びをして、また明日から最終戦に向けた準備を、よろしくお願いします! 追伸 ヤリ-マティへ先日のヒストリックラリーで、また“ドライバー ラトバラ”に戻っていましたね。その姿をSNSで見かけ「チーム代表の時よりドライバーの時の方が“良い笑顔”をするな…」と思っていました。しかし、今日は中継で“それ以上の良い笑顔”を見ることができました。代表としてプレッシャーも多かったと思いますが、温かいチームづくりをしてくれて、結果も残してくれていること、心から感謝しています。最終戦を終えたら、また一緒に走りましょう。“ドライバー ラトバラ”の笑顔にも会えることを楽しみにしています。明日からも健康第一!日本で待ってます! ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表) チーム、そして3つのチャンピオンシップを獲得した今シーズンの成果をとても誇りに思います。成功の要因は3つありますが、まず最初に挙げたいのは、カッレが最終ステージを走り終えた時に言ったように、我々のチームには才能豊かなスタッフが揃っているということです。そして二つ目は、全員が情熱と勝利に対する強い欲望を持っていること。最後、そして最も重要なのは、皆が力を合わせて働いていることです。これらの要素が全て揃えば、おのずと結果はついてきます。セブはこの週末、なぜこれまで多くのタイトルを獲得してきたのか、その理由を速さで示しました。彼には、他のチャンピオンたちと同じようにプラスアルファの力があり、それによって一線を画してきたのです。カッレも非常に成熟したドライビングを続け、我々は今回もダブルポディウムを獲得することができました。ここスペインで3つ目のタイトルを獲得できたのは、素晴らしいことです。これでもう少し...
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