トロロッソ・ホンダは、新PUを投入したハイスピードサーキットのF1カナダGP初日のフリー走行において、FP1でピエール・ガスリーが10番手、FP2でブレンドン・ハートレーが12番手となり、順調にプログラムを消化した。2018年シーズン第7戦カナダGPは、モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開催される。その初日となる金曜日にFP1、FP2が行われた。今回、ホンダはアップデートを行ったパワーユニットを投入し、パワーユニットにとって負荷の大きい高速コースに挑む。
午前10時、快晴で迎えたFP1ではマシン、ドライバーともに初めての走行であることから、ウルトラソフトタイヤ、スーパーソフトタイヤで多くの周回を消化することを目標に進めた。ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーがともに順調に周回を重ね、予定されていたプログラムを消化。セッション終盤にはガスリーがベストラップを刻み10番手、ハートレーは16番手のタイムで終えている。強い日差しの中、気温21℃で迎えたFP2は午後2時にスタート。ブレンドン・ハートレー、ピエール・ガスリーともにショートランでのアタックとロングランを行い、順調に周回しセッティングを進めた。ベストラップはハートレーが1分13秒889で12番手。ガスリーはベストラップのセクター3でわずかにミスし、1分14秒486で18番手に終わった。パワーユニットとしては、新たなスペックの投入により各部の機能確認や作動チェックから始めた。また通常通りのエネルギーマネジメントの調整と、コース特性に合わせたドライバビリティの調整を行い、トラブルなく初日を終えている。F1カナダGPは9日(土)、午前11時(日本時間10日午前0時)よりFP3、午後2時(日本時間10日午前3時)より予選が行われる。ピエール・ガスリー (10番手/18番手)「ここモントリオールで初めてのサーキットを走ることができ、色々な発見があったことはよかったですし、週末をポジティブなかたちでスタートすることができました。 非常にエキサイティングかつ難しいサーキットだったので、最初の数周は本当に楽しむことができました。FP1ではマシンの感触もよく、10番手で終えることができ、好調なスタートになりました。気温が上がったFP2でも変わらずマシンはよく機能していましたが、ショートランの最中に小さな問題があったので、本当のペースはまだ発揮できていません。ブレンドンのタイムで分かるように、僕たちにはトップ10を争える速さがあると思います。今夜はまだ少しやるべきことがありますが、マシンの感触はいいので、あとは明日に向けて正しいセッティングを見つけるだけです」ブレンドン・ハートレー (16番手/12番手)「モントリオールでの初日は順調だったと思います。非常に難しいトラックですが、特にFP1では路面がかなり汚れていたので、なおさら難しかったです。いくらかチャレンジもありましたが、ここで初めて走ることができ、楽しかったです。シケインでは曲がり切れなかった箇所もありましたが、ウォールに激突するのは避けられましたし、FP1ではマシンに小さな問題がありましたが、それらは全てFP2で改善することができました。エアロパーツのテストも行い、よく機能しているのを確認できました。ここではトラクションが非常に重要なのですが、いいセッティングをいくつか見つけられたのでよかったです。各コーナーの出口は全て重要で、中には複雑なレイアウトになっている箇所もあります。まだやるべきことはありますが、中団グループでのバトルにはうまく溶け込めていると思います」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日はアップデートを行ったPUを2台のマシンに投入しました。忙しい一日ではありましたが、それぞれのPUともに問題なく機能しており、グランプリ週末をいいかたちでスタートできました。マシンのセッティングを煮詰めると言う点では通常の金曜日と変わりませんが、午前、午後のセッションともにトラブルフリーで全てのプログラムを消化できたことはよかったと思います」ジョナサン・エドルズ (トロロッソ チーフエンジニア)「全体的に言って、カナダでの初日は生産性の高い一日となりました。ピエールもブレンドンもここで走るのは初めてだったので、前戦モナコと同じく、できるだけコンスタントに多くの周回数をこなすことを目標にしました。もちろん、アップデートを施した新しいパワーユニットも投入していたこともあり、マッピングの調整などを行いましたが、事前の想定通りに作動していたと思います。大きな問題もなく、ドライバビリティも良好でした。FP1では、メカニカル面とエアロ面でのテストを行いつつ、このトラックでの正しいセッティングを探りました。FP1では想定どおりのマシンの挙動を確認できたので、FP2では特にピエールのマシンに更なる変更を加えました。FP2では、特にブレンドンが順位からもわかるようにいい走りを見せていました。ピエールのマシンに関しては少し変更を加え過ぎてしまったかもしれません。彼はマシンが100%快適だとは感じなかったようで、FP1より順位が落ちてしまったのはそのせいです。今日学んだことを合わせ、セッティングを最適化すればその問題は解決できるでしょう。ハイパーソフトタイヤは走行中、ささくれや劣化が見られ、多くのチームがその問題にぶつかっていたと思います。我々のマシンに関して言えば、タイヤはしっかりとコントロールされていました。今夜は、明日の予選、またレースに向けて最適なセッティングを見つけるべく、多くの仕事をこなさなければなりません」関連:・F1カナダGP フリー走行2回目:マックス・フェルスタッペンが最速タイム・F1カナダGP フリー走行1回目:マックス・フェルスタッペンが最速タイム
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