F1ブラジルGPの週末に論争に発展したトロ・ロッソとルノーの信頼性問題だが、決勝でも12位で完走したピエール・ガスリーのマシンにトラブルが発生していた。トロ・ロッソとルノーは緊張関係にある。ルノーのシリル・アビテブールは、最近のパワーユニット故障の原因はトロ・ロッソのマシンにあることを示唆する発言をメディアを通して行った。
「我々はトロ・ロッソのマシンでの我々のエンジンの動作について少し懸念を抱いている。このスポーツでは決して偶然はない」とシリル・アビテブールは述べた。これに対して、トロ・ロッソはプレスリリースを発行してそれを真っ向から否定。コンストラクターズ選手権で5ポイント差で負けているルノーによる陰謀説を示唆した。この声明によってルノー側も激怒。トロ・ロッソへのF1パワーユニット供給契約を最終戦を待たずしては破棄する可能性を示唆し、レッドブルが介入して収拾に動くという事態に発展した。トロ・ロッソは、大きな問題の一つとして、新しいパーツが不足しているために古いパーツの再使用することを強要されている点がある。「我々が抱えている問題の主な理由のひとつは、入手できる新しいパワーユニットのパーツが不足していることだ。トロ・ロッソの場合、チームは週末中にパワーユニットを別のパワーユニットに交換する必要があり、多くの場合、古い仕様のアセンブリを使用することを強要されている」とフランツ・トストは述べた。そのような状況で迎えたF1ブラジルGP決勝。トロ・ロッソのブレンドン・ハートレーはオイル消費が高くなるという問題を抱えてリタイア。チームメイトのピエール・ガスリーは12位で完走したものの、フィニッシュラインを越えたときにはパワーがない状態だった「ラップ毎に“オイルトランスファー、オイルトランスファー”というような状況だったので、何かがおかしいことはわかっていた。僕たちは古いスペックのMGU-Kを搭載していたので『最後まで持ってくれよ』と思っていたよ」とピエール・ガスリーはコメント。「実際、フィニッシュラインの200m手前でフルスロットルだったんだけど、クルマのパワーは完全に失われていた。『ちょっと待ってくれよ』と思ったね。ラインを通過したときは60km/hくらいだったと思う。『どうすればいい?どうすればいい?』と伝えたら、チームはとにかくクルマを止めるように伝えてきたんだ」「何が問題だったかは正確にはわからないけど、何かがおかしかったのは間違いない」それでも、ピエール・ガスリーは12番手で終えられたことに満足していると語る。「これ以上良い結果を出せたとは思わない。ルノーから16秒差でフィニッシュしたし、マレーシアでF1デビューして以来、僕たちの最高のレース、最高のパフォーマンスだったのは間違いないと思う」最近のレースでトロ・ロッソはパワーユニット降格ペナルティが続発している。F1アメリカGPではブレンドン・ハートレーが25グリッド降格、F1メキシコGPでは、ブレンドン・ハートレーが20グリッド降格、ピエール・ガスリーが15グリッド降格。そして、F1ブラジルGPでも、ピエール・ガスリーが25グリッド降格、ブレンドン・ハートレーが10グリッド降格ペナルティを科せられている。トロ・ロッソは、来季からホンダのF1パワーユニットを搭載することが決定している。
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