スクーデリア・トロ・ロッソのチーム代表フランツ・トストは、F1ブラジルGPで勃発したエンジンサプライヤーのルノーとの論争について、トロ・ロッソとして謝罪しなければならない理由はないと断固たる姿勢をとっている。トロ・ロッソは、11日(土)のフリー走行3回目の前に声明を発表。最近のレースでトロ・ロッソに続発しているルノーのパワーユニットの信頼性問題が、トロ・ロッソのパワーユニットのインストール方法や使い方に起因していることを示唆したルノーのシリル・アビテブールに激しく反論した。
フランツ・トストは、トロ・ロッソには怒る権利があると考えており、今回の論争はシリル・アビテブールが10日(金)にメディアを通して口を開いたことでルノーが引き起こしたものだと主張した。「なぜ私が謝罪しなければならないか? 我々が受けたあらゆるダメージに対してだろうか? 私だって同じように腹を立てている」とフランツ・トストは Sky Sports F1 にコメント。「双方が腹を立てている。全てのナンセンスを始めたのは誰だ? 昨日、シリルがインタビューで馬鹿げたことを言ったからではないだろう。それを聞いて、『そうか、いいインタビューだ。納得できる』とでも言うべきなのだろうか。いいや、我々が納得することなどないし、だからこそ、このような声明を出した。他に言うことはない」 「昨日のインタビューで、彼はトロ・ロッソを非難した。それは完全に間違っている。我々が何か良くないことをしたのであれば、我々はそのように言う。MGU-Hやシャフトの故障はパワーユニットのインストレーションとは一切関係ないことであり、我々はシーズンの初めからパワーユニットのインストレーション関連で何も変更はしていない。このことをはっきりさせておきたかった」また、フランツ・トストは、ルノーがトロ・ロッソ側にエンジンの契約内容に違反する振る舞いがあったと感じた場合、シーズン最終戦のF1アブダビGPでトロ・ロッソへのエンジン供給を拒否するかもしれないとの噂も否定している。 「彼らには契約がある。我々が契約上で何かを破ったとは考えていない。彼らには契約があり、高価な代金を受け取っている。したがって、我々にエンジンを供給しなければならないはずだ。至ってシンプルなことだ」しかし、トロ・ロッソとルノーとの口論は加熱している。ルノーのアンバサダーを務めるアラン・プロストは、トロ・ロッソが声明のなかで述べた『我々はコンストラクターズ選手権でルノーがトロ・ロッソとポジションを争っていることを忘れてはならない。アビテブール氏の提案によると、この状況は偶然ではないかもしれないが、STRのマシンによるものではないことは確かだ』という部分に異論を唱えている。土曜日の予選前、アラン・プロストは報道陣に対して「フランツの言ったことを聞いたばかりだが、ひとつ確かなことがある。ルノーという企業は長い間F1に関わっており、全員にまったく同じエンジンを与えるということを証明してきた。他のマニュファクチャラーの場合はそうではないかもしれない。たったひとつポジションを上げるために、我々が汚いやり方を選ぶなど絶対にあり得ないことだ」と語気を強めた。「シーズンが終わりに近づき、我々は苦戦を強いられている。それは誰の目にも明らかだと思う。我々にとって良いことではなし、レッドブルにとっても、トロ・ロッソにとっても良いことではない」「アブダビで彼らにエンジンが提供されるのは疑いようのないことだ。とりあえずは予選の結果を待とう」レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコもこの論争を鎮めるべく土曜日に声明を発表。トロ・ロッソが不公平な扱いを受けているという考えは持っていないと釈明した。「過去10年間、我々は現在のエンジンサプライヤーと様々な感情を経験しながら多くの成功を収めてきた。いつものように長いシーズンの終わりに感情は高まっている。だが、価値ある関係であり、これからもそうあり続けていくだろう」「我々が当社のエンジンサプライヤーから公平かつ公正な扱いを受けていないという疑問は一切ない。それは今日でも真実だ」最近のレースでトロ・ロッソはパワーユニット降格ペナルティが続発している。F1アメリカGPではブレンドン・ハートレーが25グリッド降格、F1メキシコGPでは、ブレンドン・ハートレーが20グリッド降格、ピエール・ガスリーが15グリッド降格。そして、今週末のF1ブラジルGPでも、ピエール・ガスリーが25グリッド降格、ブレンドン・ハートレーが10グリッド降格ペナルティを科せられることが確定している。