F1チームにブレーキを供給していることでも知られるブレンボが、サスペンション技術メーカーのオーリンズ・レーシングを4億500万ドルで買収することで合意したと発表した。これは、ブレーキメーカーとしては過去最大の買収となる。スウェーデンに拠点を置くオーリンズは、アポロ・グローバル・マネジメントが支援するテネコから完全買収され、ブレンボは声明で、支払いは手持ちの現金で行うと述べた。
ブレンボのマッテオ・ティラボスキ最高経営責任者(CEO)は、オーリンズ社は「非常に相性が良く」、自動車市場への製品提供拡大に役立つと述べた。「今回の買収により、車両のコーナーにおける主要技術のシナジーを活用し、インテリジェントな統合ソリューションをお客様に提供するという戦略をさらに前進させることができる」と彼は述べた。イタリアのボンバッセイ家が約70%の株式を保有するブレンボは、今月初め、タイヤメーカーのピレリの株式5.6%すべてを売却し、2億8000万ユーロ以上の現金を得た。この動きにより、2つのイタリア企業グループの合併に関する憶測も終息した。声明では、オーリンズ・レーシングは、ロード用およびトラック用の次世代メカトロニクス・サスペンション技術の開発に専念し、「未来のモビリティのためのソリューション・プロバイダーとなる」というブレンボの使命を強化すると付け加えた。年末には約1億4400万ドルの収益が見込まれるオーリンズ・レーシングは、ショックアブソーバー、フロントフォーク、ステアリングダンパー、ソフトウェア、アルゴリズムなど幅広い製品を製造している。また、F1やMotoGPなどのモーターレース選手権のサプライヤーでもある。同グループは、スウェーデンとタイの2つの生産施設に500名の従業員を擁し、さらに米国、ドイツ、タイ、スウェーデンに2つの研究開発センターと4つの流通および試験施設を構えているとブレンボは述べた。「ブレンボと力を合わせることで、新たな成長機会を切り開き、それぞれの強みと資産を活用してイノベーションを推進し、お客様と従業員により大きな価値を提供できることを楽しみにしています」とオーリンズ・レーシングのCEOであるトム・ウィッテンシュレイガー氏は述べた。買収は2025年初頭に完了する見込みである。BofA証券はブレンボの財務アドバイザーを務め、ジェフリーズはテネコの主幹事財務アドバイザーを務める。