F1、ユニセフと提携して恵まれない子供たちを支援

ユニセフの推計によると、2022年には世界の10歳児の70％が基本的な識字能力を持たず、インターネットやデジタル機器へのアクセスも限られており、新型コロナウイルスの大流行によって不平等が拡大しているという。F1とのパートナーシップでは、ユニセフのラーニング・パスポートの拡大を通じてデジタルアクセスを改善することが優先される。このパスポートは、子どもたちがオンラインでもオフラインでも学習を継続できるポータブルデジタルプラットフォームだ。このパスポート制度は現在26カ国で運用されているが、F1の支援により、さらに19カ国に拡大し、メキシコとブラジルの子どもたちのためのオフライン版も開始する予定となっている。また、F1は、子どもの権利保護団体の緊急基金への寄付を通じて、同団体の緊急対応活動を支援する。今後3年間にわたるF1の支援により、社会的弱者や疎外された地域に住む推定650万人の子どもたちが、科学、技術、工学、数学（STEM）などの主要分野を含む質の高い教育を受けることができ、ユニセフが緊急時に子どもたちに一時的な学習場所を提供することが可能になると推定されている。F1会長兼CEOのステファノ・ドメニカリは、「研究、技術、革新が、ドライバーやチームの成功に重要な役割を果たすスポーツであるF1において、教育はその中核をなすものです」と述べた。「ユニセフとのパートナーシップにより、F1というスポーツのグローバルなプラットフォームを効果的に活用し、世界で最も弱い立場にある子どもたちが経験する教育格差の解消に貢献することが可能になります」「すべての子どもたちは、質の高い教育を受ける権利と、緊急時に保護される権利を有しています。最も弱い立場にある子どもたちが、目標を達成するために必要な知識とスキルを身につけられるようにするために、私たちが役割を果たせることを誇りに思います」ユニセフ英国委員会（UNICEF UK）の最高責任者であるジョン・スパークスは「世界では学習危機が深刻化しており、何百万人もの子どもたちが学校に通えず、学習や活躍に必要な技術にアクセスできない状況が続いています」と語る。「教育への投資は、子どもたちや若者の成長、そして彼らが将来必要とする社会や経済を構築するための基本であり、この学習の危機を防ぐために今行動しなければなりません」「F1とともに、我々はより多くの子どもたちが質の高い学習と、学校や仕事、人生で成功するために必要な技能訓練を受けられるようにするための、新しいパートナーシップを開始します。ユニセフでは、スポーツが人々を結びつけるユニークな役割を果たし、人道的緊急事態に巻き込まれた子どもたちを含め、子どもたちに影響を及ぼす最大の問題に取り組むのに役立つと信じています」F1とユニセフのパートナーシップは、F1がこれまで行ってきた教育支援の歴史に基づくもので、最近も様々なSTEMや雇用に関する支援プログラムとともに、社会的地位の低いグループに対する工学奨学金プログラムの拡充が行われている。