佐藤琢磨が11日(日)、東京都内で毎年恒例となるファンイベント「Takuma Club Meeting 2016」を開催した。2017年からアンドレッティ・オートスポーツへの移籍が決定した佐藤琢磨。オープニングでは、インディカーを4シーズンを戦ったAJフォイトでのレースがスクリーンで映し出された。
3年以上走ったドライバーはAJフォイト自身しかいないチームで絶大な信頼を得ていた佐藤琢磨は、お別れ会でチームを訪問した際に、後任のカルロス・ムニョスがシート合わせをしていたマシンが“No.14 SATO”のままにしてくれていたという話や、チームの企業秘密があるなかでステアリングをアンドレッティでも使わせてくれるよう手配してくれたという逸話を披露した。AJフォイトがシボレーへのエンジンを変更したことについては「チームもマネージャーも知らなかった」というまさに寝耳に水のニュースだったようだ。AJフォイトには「感謝の気持ちしかない」と語る佐藤琢磨。実際、「シボレーでも走れるか」と打診されたが「ホンダがいるなかで他のクルマに乗るのは無理」とのことでチームを離れることになった。そして、やはり注目は名門アンドレッティへの移籍。AJフォイトを離れることを決めた時点での選択肢は、レイホール、アンドレッティ、シュミット、そしてガナッシの4つだったと佐藤琢磨は明かした。一番最初に連絡してくれたのは過去の所属チームであるレイホール。そして、ガナッシもマックス・チルトンとの契約を結ばずに待ってくれていたという。ガナッシにも憧れがあったと認める佐藤琢磨だが、2017年からはガナッシでスコット・ディクソンのエンジニアを務めていたエリック・ブレッツマンがアンドレッティにテクニカルディレクターとして移籍することが決まっているのもアンドレッティへの移籍を決めた理由のひとつだとした。そして、なによりも一番の決め手となったのは、マイケル・アンドレッティが最初に約束してくれた“No.1 イコール ステータス”だという。すでにアンドレッティのクルマを走らせたという佐藤琢磨は、過去に所属したチームと比較して圧倒的に「基礎がしっかりしている」と語った。また、エンジニアはKVレーシング時代に佐藤琢磨を担当していたギャレット・マザーシードが務めることも心強い。だが、2017年はエアロパッケージが凍結され、今季、2勝15敗のホンダ勢には厳しい状況が続くかもしれない。「シリーズチャンピオンとか期待しないでください」と語る佐藤琢磨だが「勝つことは可能」と力強く語った。「これまでにないくらいコンペティティブなレースをする自信がある。それができるのがアンドレッティだと思う」佐藤琢磨、アンドレッティとの契約を正式発表