佐藤琢磨は、インディカー第7戦デトロイトの決勝レースを11位で終えた。決勝のスタート前に降った雨によって序盤は全車がレインタイヤを装着してのバトルとなった。ウエットタイヤでのレースは最長2時間でゴールというルールで始まったが、グリップの低い難しい路面コンディションであったために大小さまざまなアクシデントや接触が発生し、フルコースコーションが続出。
コンディションはウエットからドライへ、そしてまたウエットへ、短い時間で目まぐるしく変化していった。47周目に1台のマシンがタイヤバリアに突っ込んでストップ。その少し前から雨脚が強くなり、コース上の水の量が危険なレベルに達したこと、雷などの気象状況から観客を守るためなどの理由により、インディカーは赤旗を出してレースをいったんストップさせた。レース時間はまだ33分が残されており、マシンをピットロードに停めて天候の回復が待たれたが、気象状況が悪く、インディカーはレース成立を宣言し、カルロス・ムニョスのキャリア初優勝を果たした。佐藤琢磨は、今シーズン自己ベストとなる4番グリッドから得意のウエットレースのスタートを切り、最初の3周でトップに躍り出た。14周目までトップを走った佐藤琢磨だったが、1回目のタイヤ交換を行うタイミングが最初のフルコースコーションとなったことで8番手まで後退し、その後には他車との接触があって18番手まで順位を下げた。それでも佐藤琢磨にはウエットコンディションでの速さという大きな武器があり、9番手にまでばん回してみせた。雨が続けばトップ争いへと再び返り咲く可能性もあった佐藤琢磨だったが、終盤のチャージに備えるべく行った4回目のピットタイミングが今度は早過ぎたため、赤旗が出されてレース終了となって順位ばん回のチャンスを与えられず、結果は11位だった。佐藤琢磨(11位)「レース中に雨が降るのは分かっていましたが、どれぐらい降るかなどは分かりませんでした。ウエットタイヤでスタートしてから、すぐに前を行く3台をパスでき、トップを走れました。リードを広げていき、タイヤを交換しようと思ったタイミングでイエローが出てしまい、イエロー中のピットストップでタイヤをドライコンディション用に交換しました。あのイエローの前にピットしていたライバルたちが先行し、私たちは順位を下げました。そして、そこからのバトルでラインを締められ、縁石に乗り上げてバランスを崩したためにポジションを争っていた相手と接触し、フロントウイングを破損しました。ピットでウイングを交換してレースに戻り、そこから順位を上げていくことができましたが、赤旗が出る少し前に最後のピットインを行ったことにより、11位となりました。レースがあのまま続いていればトップグループはピットインしたはずで、そうなれば私たちは再び上位に返り咲くことができていたと思います。明日のレースは前進あるのみ。予選も行なわれますが、予選、決勝ともにウエットコンディションでもいいですね」