佐藤琢磨は、2014年のインディ500の決勝レースで、一時5番手まで浮上するも、終盤にアクシデントの影響を受けて19位で終えた。23番グリッドからスタートした佐藤琢磨は、1回目のピットストップまでに15番手までポジションを上げていたが、レース中盤はマシンのハンドリングが悪化して後退を余儀なくされた。だが、佐藤琢磨とチームは粘り強くセッティング変更を重ね、レース終盤に入ってからスピードを取り戻した。
次々と先行するマシンをオーバーテイクしていった佐藤琢磨は、175周目に9番手まで順位を上げていた。そして、176周目のリスタートで一気に5番手にジャンプアップし、上位フィニッシュを目指した。ところが、不運にも、このリスタートの前に起きたアクシデントでまき散らされた破片がマシンの右側に突き刺さり、佐藤琢磨のマシンはゴールを前にしてストレートではスピードが伸びず、コーナリングが不安定になっており、19位でのゴールとなった。佐藤琢磨 (19位)「スタートはスムーズに切ることができ、私たちのマシンがなかなかいいセットアップになっていることが感じられました。最初のピットストップを行う前まで、私は30周で12番手にまでポジションを上げていくことができました。ピットで私たちはトラフィック内でのハンドリングをよくするべく、セッティング変更をしたのですが、少々欲張り過ぎだったのか、調整のし過ぎになっていました。マシンは希望していたのとは反対のオーバーステアに変わり、そこからの2スティントではポジションを下げていく結果となりました。しかし、レースが折り返し点を越えたあと、私たちはマシンをスタート時とほぼ同じセッティングに戻し、順位ばん回を目指しました。スピードの戻ってきたマシンによって、私たちは再びトップ12に復帰しました。それにしても、今年は大変長い間イエローフラッグが出ないままでレースが続いていましたね。私のキャリアの中では最も長い149周もグリーンの状態が続きました。非常に残念だったのは、スコット・ディクソン(シボレー)のアクシデントで飛び散ったマシンのカーボンファイバー製の破片が、私たちのマシンに刺さってしまったことです。右サイドポッドの下側にそれは突き刺さり、リスタートでは5番手まで順位を上げたのですが、その破片によってダウンフォースが大幅に減り、スピードも大きく落ちてしまいました。仕方なくピットインして破片の除去、穴の補修、そしてタイヤ交換を行いました。その先はもうばん回するための時間が残されておらず、結果は19位となりました。ミスなくピット作業を行ってくれていたクルーたちのためにも、もっと上位でフィニッシュしたかったですね。それでも、今日のレースで私たちは、チームとして価値ある経験を積むこととなりました。厳しい一日ではありましたが、いい一日ともなっていたと思います」
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