佐藤琢磨は、第107回インディアナポリス500の予選1日目を7番手で終えた。第107回インディアナポリス500の予選は今年も週末の2日間に渡って開催される。5月20日(土)がその1日目だった。 Hondaエンジン搭載マシンは17台が出場。その中から2021年シリーズチャンピオンのアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が平均時速233.398マイルを記録し、予選初日を3番手で終えた。
また、6回のシリーズチャンピオンに輝き、2008年インディ500勝者でもあるスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は5番手、インディ500で2勝している佐藤琢磨(Chip Ganassi Racing)は7番手、昨年のインディ500勝者マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)は10番手で、Honda勢の中ではこの4人が明日の2日目、ポールポジションをかけた予選に挑戦する権利を手に入れた。インディカーシリーズのオーバルレースでの予選は、マシンが1台ずつコースインして全力疾走するタイムトライアル方式が採用されているが、インディ500だけは独特で、4周の連続ラップを行い、合計10マイルの走行タイムを競い合う。全長が2.5マイルと長いコースを時速230マイルを超える高速で4周も走るため、タイヤは刻々と摩耗し、マシンのバランスが変化するため、ドライバーには高度のスキルが求められる。予選1日目の土曜日は、快晴ながら前日よりも少し気温の低いコンディションとなった。最高気温が20℃に届かない、とても過ごしやすい天候に恵まれ、とても多くのファンがインディカードライバーたちによる高速タイムトライアルを1日中楽しんでいた。午前11時から夕方5時50分まで、6時間50分の長きに渡ってエントリー34台が、ほぼ間隔を空けずにアタックを続けた予選では、Chip Ganassi RacingのHondaエンジン搭載車4台全員がトップ12に食い込み、明日、2段階で行われる予選でポールポジション獲得に挑む。パロウは1回目のアタックですばらしいスピードを記録してトップ12入りを確定させ、ディクソン、佐藤、エリクソンの3人は2回目のアタックでスピードアップを果たし、トップ12圏内で予選1日目を終えた。明日、ディクソンはインディ500の長い歴史の中でまだ誰も成し遂げたことのない3年連続ポールポジションを目指す。それが実現した場合、彼のインディ500におけるポールポジション獲得回数は6回となり、リック・メアーズと並んで史上最多タイのポールポジションウイナーになる。インディ500特有のルールにより、今日の予選では予選13番手から30位の決勝進出が決定する。Hondaドライバーは13人が第107回インディ500への出場権を確保した。インディ500への挑戦は今年が2回目のデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)は、予選終了間際に大きなスピードアップを実現してドラマチックに決勝進出を決定。キャサリン・レッグ(Rahal Letterman Lanigan Racing)は231.070マイルの平均スピードをマークし、インディ500の予選における史上最速の女性ドライバーとなり、予選30番手で自身にとって3回目となる決勝進出を決めた。明日、日曜日のスケジュールは、プラクティスを行ったのち、午後2時から3時までがファスト12の予選で、夕方4時からファスト6の予選が行われる。▽記録・1994年にインディカーへの参戦を始めたHondaは、自動車メーカーとしてインディ500史上で最も多い15回の優勝を22回の出場で記録している。勝率は68%。・Hondaは4回目の挑戦だった2004年にインディ500初優勝を達成した。ドライバーはバディ・ライスで、マシンはTeam Rahal-Hogan/Hondaだった。・Hondaは昨年のインディ500でも優勝している。マーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)によるもので、Hondaにとっては2020年からの3年連続優勝だった。アレックス・パロス(Chip Ganassi Racing)「今日はいい1日でした。クルーたちはマシンに変更を施さねばならなかったため、とても仕事の多い1日になっていました。しかし、私たちの今日のスピードは非常に速かった。昨日のくじ引きでアタックする順番が遅いものに決まっていたので、気温が上がるなどの不利に見舞われるかと心配していました。インディカー・シリーズの競争は非常に激しいので、アタック順が20番手以降というのは、決して有利なものではありませんでした。しかし、私たちは今日の予選で3番手になることができ、ファスト12に入ることができました。今日の目標はトップ12入りでしたから、今日のマシンに少しの変更を加え、明日ファスト6進出を目指した戦いを行いたいと思います」スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing) とても興味深い1日でした。最初の予選アタックではまずまずの走りができたと思います。自分がドライビングで少しのミスを犯していたので、もう一度アタックを行うチャンスが得られてよかったですね。そして、そのアタックによって大きくポジションを向上させることができました。マシンはドライビングがしやすいものになっていて、間違いなくもっとスピードを引き出せると感じることができました。あと1回走りたかったですね。もしそれが実現していたら、すごいスピードが出せていたと思います」 佐藤琢磨(Chip Ganassi Racing)「とてもエキサイティングな予選でしたが、タフな戦いでもありました。コンディションは極めてチャレンジングなもので、最初のアタックでは最終ラップにマシンのスライドを体験しました。僕たちは再びアタックして記録を更新しましたが、これはすばらしいチームワークだったといって間違いありません。いまは4台揃ってトップ12に入っていることがもっとも重要です。今晩はデータを見直し、明日は100%でチャレンジできるように準備を進めるつもりです」キャサリン・レッグ(Rahal Letterman Lanigan Racing)「ストレスは全く感じていませんでした。私のマシンを担当してくれているクルーたちは、この1週間ずっとすばらしい仕事をしてくれています。私を走らせ、スピードアップをさせ、マシンを乗りやすいものにしてくれました。予選を通過したので、これからはレース用セッティングの向上に努めます。正直に言うと、いまの私が感じているのは大きな安堵感です。インディアナポリス・モータースピードウェイでの予選は、信じられないぐらいに心を揺さぶられます」
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