ルノのエグゼクティブエンジニアリングディレクター、パット・シモンズは、チームにおけるアロンソ効果を評価している。同時に、ルノー R28のパフォーマンス不足も認識しており、アロンソのために“勝てるマシン”を与えたいと語った。「フェラーリとマクラーレンの後ろには、大きなグループがあり非常に接戦となっている。だが、我々の前にはBMWやトヨタ、そしてたぶんウィリアムズがいると思わなくてはならないだろう。つまり、我々にはやらなければならないことがたくさんあるということだ。」
「最もパフォーマンス面で有効な部分は、マシンのエアロパッケージだ。だが、昨年我々はその状況がとても困難だった。昨年は、風洞とマシンの相関性に重大な問題があり、我々の空力パフォーマンスは思ったようにはいかなかったので、増強しなければならない点だと思う。今年は、相関性はほぼ完璧だ。ただ、我々のエアロパフォーマンスは望みどおりにはなっていない。それは相関性を取り戻すために、多くの開発時間をロスしてしまったからだと思っている。我々は必死に遅れを取り戻すために2008年マシンの作業を早い時期から始めた。だが、明らかに我々は望んでいる全てを捕らえられていない。今やれることは、この部分の努力を強化し、空力パフォーマンスの改善に集中することだ。」「フェルナンドは本当にポジティブな要素のひとつだ。彼のレース、戦略、F1ビジネス全体の理解力など、我々が彼から得る成果は素晴らしい。彼は非常に落ち着いて物事に取り組むんだ。チーム内にもそれが浸透していると思っており好ましく思う。チームは常に落ち着いて取り組む方が好ましい。その方が、よりうまくいくと思っている。そして、それが出来るドライバーがいることは素晴らしいことだ。フェルナンドに関してもうひとつは、彼の結果が非常にモチベーションを高めてくれるということだ。彼は歩き回って人々をやる気にさせるタイプではない。彼の能力と結果が人々にやる気を与えるんだ。どのような状況であってもレースで何番手を走っていても、全レースを100%で戦っていることは誰もが理解してる。それがチーム全体を奮い立たせているんだ。」「フェルナンドが勝つことができるドライバーだと分かっているから、彼に勝てるクルマを与えたかったが、これまでのところはそれができていないんだ。それは残念なことだが、そのことで彼に勝てるクルマを与える決意決心させた。チームのみんなは昨年のことを忘れたがっている。特に2年連続で優勝した後ではね。私たちの決意は通常の状態に戻ることであり、それ以下は受け入れられないんだ」