アルピーヌF1チーム代表を突如辞任したオリバー・オークスが、レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表の後任候補に浮上しているとの噂が、複数の欧州メディアによって報じられている。この動きは、アルピーヌ内部の人事に大きな地殻変動が起きた直後のことである。アルピーヌはマイアミGP直後、チーム代表オークスの即時辞任を発表。同時にフラビオ・ブリアトーレがエグゼクティブ・アドバイザーとして、オークスの業務を引き継ぐとした。
辞任の表向きの理由は明かされていないが、直前に報じられたジャック・ドゥーハンからフランコ・コラピントへの交代劇との関係が指摘されている。マイアミではオークスとブリアトーレの間で、この決定を巡る意見の対立があったという噂も根強い。クリスチャン・ホーナー体制に変化の兆しそんな中、イタリアの『Autosprint』は「オークスがタイ系のレッドブル支配勢から声をかけられている」と報道。これまでホーナー体制を支えてきたタイ陣営が態度を変え始めているとの見方もあり、イモラで予定されるRB20のアップグレードが「ホーナーにとって最後のチャンスになる可能性がある」とも伝えられている。『Formula Passion』はさらに踏み込み、「2024年初頭にホーナーを擁護したタイ勢の支援は、現在では薄れつつある」と報じた。実際、レッドブル内でも発言に温度差が見られる。ヘルムート・マルコが「イモラでのアップデートは転機になる」と意気込む一方で、ホーナーは「大きなアップデートはない」と報道を否定し、「現行レギュレーション下では、すべてが小さな進歩だ」と語るなど、両者の見解には隔たりがある。一方、オークスが去ったアルピーヌでは、コラピントの起用が正式発表され、5戦限定での出走が決定。ザントフォールトでは旧型マシンによるテストにも参加するなど、チーム内の体制刷新が急ピッチで進んでいる。レッドブルとアルピーヌ、そしてF1全体を揺るがす可能性を秘めたオークスの動向に、今後も注目が集まる。