元ルノーF1のチーム代表であるシリル・アビテブールは、意外なことに2021年のF1アブダビGPをレッドブルF1のガレージで観戦していた。ルノーがまだレッドブルにF1エンジンを供給していた際、シリル・アビテブールとレッドブルF1のチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、メディアを介してお互いを批判するいわば犬猿の仲だった。
44歳のシリル・アビテブールは、2014年からルノーF1のマネージングディレクターを務めていたが、アルピーヌF1へのブランド変更と同時に行われたマネジメントの再構成によってチームを離脱。現在、アルピーヌF1は、ローラン・ロッシ、マルチン・ブコウスキー、ダビデ・ブリビオが公の顔となっている。それ以降、シリル・アビテブールは、公の場に姿をみせていなかったが、2020年のF1アイフェルGPで当時ルノーF1のドライバーだったダニエル・リカルドと表彰台の賭けに負けた約束を果たすために、最近、タトゥーを入れる姿が公開されていた。そして、2021年のF1アブダビGPではレッドブルのガレージでシリル・アビテブールが発見された。ファイナルラップの劇的な逆転でマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンを倒してF1ワールドチャンピオンを獲得するのをレッドブルF1とともに祝った。2018年にレッドブルとルノーが決裂していた緊張関係は、うまく解消されたようだ。逆に、追い出される形となったアルピーヌ(ルノー)との関係の方が問題がありそうだ。「レッドブルにいたことを告白しなければならない」とシリル・アビテブールはGPFansに語った。「発見されてしまったし、認めることができる。問題はない。私は正しい場所を選んだ!」「私はレッドブルと多くの仕事をしてきた。人々は我々の不和を覚えているが、私はこの完全に結果志向の組織に多くの敬意を払っていた」「とにかくそれを言いたい。どんな犠牲を払っても勝ちたいという意欲は、時にルノーに欠けていたものだった」シリル・アビテブールは、レッドブルとホンダF1のタッグが、ターボハイブリッド時代を通じてメルセデスが享受していた連覇を破ることに成功したことを嬉しく思っていると付け加えた。「ヘルムート・マルコ、マックス、ホンダによる戦略的選択、そして、クリスチャンのリーダーシップの下でのミルトンキーンズのチームによるそれらの実装を見れば、最終的にそれが報われたことを嬉しく思う」とシリル・アビテブールは語った。「そして、アブダビでの最後の数分間は必然だった言うことができる」