レッドブル・ホンダF1にとって、F1ロシアGP初日のフリー走行はこれまで苦戦してきたローダウンフォースパッケージの最適化が急務であることを改めて示した。ロングストレートと90度コーナーで構成されるソチ・オートドロームは、高速コーナーを得意とする空力マシンであるレッドブルのシャシー特性にとって相性の良いトラックではない。
それは、2014年にF1ロシアGPが開催されてからまだ1度も表彰台を獲得できていないことからも明らかだ。今季マシン『RB16』は特に癖の強いマシンに仕上がっており、特に風の影響を受けやすい。その傾向はシーズン序盤に顕著に表れており、コーナーで突如リアのコントロールを失ってスピンする場面が多くみられていた。それでも、アップデートを重ねてその癖は消えつつあった。前戦F1トスカーナGPでは新しいフロアを投入し、バランス面でも大きな改善がみられていた。しかし、それは通常のパッケージでの話。スパ・フランコルシャンやモンツァと同様に、ソチで使用しているローダウンフォースパッケージではまだその弱点を消し去れていない。FP1では低速のセクター3で速さをみせていたレッドブル・ホンダだったが、全マシンが本格的なプログラムを実施したFP2では、その弱点が再び顔を出した。FP2ではマックス・フェルスタッペンが最終コーナーで再びスピンを喫している。モンツァでは、ダウンフォースをつけたことでローダウンフォースパッケージの利点であるストレートスピードを失うとともに、低速コーナーでもバランスも失って、どのセクターでもタイムを伸ばすことができないという悪循環に陥った。ソチはグリップの低い路面特性により、ダウンフォースレベルとのトレードオフがさらに難しくなる。ローダウンフォースパッケージを最適化できていないレッドブル・ホンダにとって打開策を見つけることが急務となる。マックス・フェルスタッペンは「今日行われた両セッションでそれぞれ違うダウンフォースレベルを試し、どれが最適なオプションかを検討した。 FP2はもう少しいい結果が出せていたはずでしたが、マシンであらゆることを試すことができた」と振り返る。「僕たちはまず適切なダウンフォースレベルの見極めに集中するべきだと思っている」アレクサンダー・アルボンも「僕とマックス(フェルスタッペン)のマシンそれぞれで違うことを試したので、その中から改善に向けたセットアップを見つけられることを願っている」と語る。「マシンの最適なバランスが見つかれば、ショートランで速さをみせることができるし、ロングランになっても同じことがいえる。現段階ではどちらの場合でもなにかが足りていないので、明日の予選までに改善点を見つけ出したいと思う」 この投稿をInstagramで見る FORMULA 1®(@f1)がシェアした投稿 - 2020年 9月月25日午前10時26分PDT