ピレリが、F1イギリスGP初日のフリー走行を振り返った。ウェットコンディションで始まった金曜日、各チームは、午後のセッションでピレリの新型ハードコンパウンドのプロトタイプをテストする機会を得た。このタイヤは、スペインでのフリー走行で使用されたコンパウトと同じもの。
カナダ同様、フリー走行1回目は雨に見舞われたため、走行機会は限定され、そのほとんどがCinturate ブルー・フルウェットタイヤによる走行となった。午後、ドライバーたちは、今週末のレース用に選択されたP Zero オレンジ・ハードとP Zero ホワイト・ミディアムとともに、新型プロトタイプタイヤへ移行することができた。午後のセッション開始10分後、路面はスリックタイヤに十分なドライとなり、トップタイムが入れ替わった。しかし、FP2残り40分時点で、メルセデスのニコ・ロズベルグが、ミディアムタイヤで1分32秒248のセッション最速タイムを記録。FP2の終盤、潜在的な摩耗率と戦略を評価するために、各チームはそれぞれのコンパウンドで燃料搭載量を変化させてレースシミュレーションを行うことに集中していた。雨の影響を受けたFP1では、1時間30分のセション残り15分時点まで誰もタイム計測を行わなかった中、トロ・ロッソのダニエル・リカルドがフルウェットタイヤを使用して最速タイムを記録した。リカルドのタイムは、ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグよりも0.78秒速い1分54秒249だった。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「雨のため、ドライバーたちは、我々が金曜フリー走行用に持ち込んだ2セットの新型プロトタイプによる走行を十分に行うことができませんでした。このタイヤは、先月スペインへ持ち込んだハードタイヤのプロトタイプと同じものです。またしても、フリー走行での雨によって、プロトタイプを使用した走行機会は短いものとなってしまいフラストレーションを感じましたが、こおはイングランドですから驚きはありませんね! 午前中のセッション中は本格的な雨になりましたが、少なくとも各チームは、今シーズンこれまでウェットコンディション時もあまりされる機会がなかったフルウェットタイヤに関して価値ある情報を得ることができたと思います。午後のセッションでようやくプロトタイプによる走行ができましたが、時間不足で大量のデータを収集することはできませんでした。レース用のミディアムとハード間のラップあたりの性能差は、ここまでのところ約1秒となっていますが、まだ分析が必要な大量のデータがあります。土曜日と日曜日はドライが予想されているため、各チームがどのような戦略を採ってくるか興味深いところです」