マクラーレンのオスカー・ピアストリは、最近の成績低下を受けて「崩壊した」と批判する声に対し、自身のF1タイトル獲得への自信を強調した。メキシコシティGPではチームメイトのランド・ノリスが圧勝し、ピアストリは5位にとどまった。4月以来守ってきた選手権首位の座をノリスに明け渡し、オランダGPでの7勝目以降に34ポイントあったリードは、5戦を経て1ポイント差の逆転を許した。
現在、ノリス、ピアストリ、そしてマックス・フェルスタッペンの3人による接戦が展開されており、残り4戦で王者争いの行方は混沌としている。1997年の世界王者ジャック・ビルヌーブは、ピアストリが「プレッシャーに完全に崩れた」と発言していたが、ピアストリはこれに真っ向から反論した。「人は思いたいことを思えばいい。僕自身は、まだチャンピオンを獲れる実力があると信じている」とピアストリはブラジルGPの週末を前に語った。「確かに道のりにはいくつかの“凸凹”があったけど、それは誰にでもあること。今年はみんな何かしら苦しい週末を経験しているからね」「この数戦で多くのことを学んだし、今季これまでの成功の高さをもう一度発揮できる自信がある。まだシーズンはたくさんの周回が残っているし、僕はタイトルを勝ち取れると本気で思っている」オースティンとメキシコで得た「重要な教訓」ピアストリは北米2連戦(アメリカGPとメキシコGP)で苦戦した経験が、今後に向けて大きな学びになったと振り返る。メキシコGP後には「自分にとって自然ではない走り方をしなければならなかった」と語っていた。「オースティンとメキシコは、他の多くのレースとは異なる性質だった。僕自身の実行ミスもあったし、チームとしてクルマの性能を最大限に引き出せなかった部分もあった」と説明する。「なぜそうだったのかは明確じゃないけど、どちらの週末もかなり特別なドライビングを要求された。だからこの2戦は似ていると思う」「でも、それ以前のレースが悪かったとか、壊滅的だったとは思っていない。いくつかミスはあったけど、特にこの2週末で学んだことはとても重要だと思う」ピアストリの“学び”が示す成長の兆しピアストリの発言からは、プレッシャーを受けながらも冷静に自己分析し、経験を糧に変えようとする成熟した姿勢が読み取れる。マクラーレンのMCL40はサーキット特性によって挙動が変わりやすく、特に高地のメキシコではセットアップの適応が難しかった。ピアストリはそうした環境下での走行感覚を「自然ではない」と表現し、適応力を磨いている最中だと明かしている。タイトル争いはわずか数ポイント差で推移しており、心理的な強さが最終盤の鍵を握る。ノリスが勢いを増す中でも、ピアストリが自らの学びを実戦で昇華できれば、逆転の可能性は十分に残されている。
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