オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、マックス・フェルスタッペンがタイトル争いに再び食い込んできたスピードに「驚いている」と語った。8月末のザントフォールトGPで優勝した時点で、ピアストリはチームメイトのランド・ノリスに34ポイント、フェルスタッペンに104ポイントの差をつけていた。しかしその後の4戦ではいずれもノリス、フェルスタッペンに敗れ、差はノリスに14ポイント、フェルスタッペンに40ポイントまで縮まっている。今や3人によるタイトル争いが明確になった。
フェルスタッペンはここ4戦すべてでマクラーレン勢を上回り、シーズン序盤に一時的に「タイトルは終わった」と認めていたにもかかわらず、再び優勝候補の一角に戻っている。5度の優勝経験を持つメキシコでは、レッドブルが再び強さを見せると予想されている。「ザントフォールトの時点では、自分のタイトル争いの相手はノリスだけだと思っていました」とピアストリは語る。「おそらくみんなそう思っていたと思います。でも(フェルスタッペンが)モンツァ以降に見せたパフォーマンスの流れはちょっと驚きでした。シーズン序盤にもその兆候は少し見えましたが、大きな落ち込みもありましたし。でも、予想よりずっと早く戦いに戻ってきました」前戦オースティンでは、スプリントでクラッシュし、決勝でもノリスと接触して5位に終わるなど厳しい週末だったが、ピアストリは依然として焦りを見せていない。「ここ数戦でポイント差は少し縮まりましたが、僕の集中は常に“できるだけ速く走ること”にあります」とピアストリは語る。「リードしている方が他のどのポジションよりも良いに決まっていますし、差を気にしたり不安になることに意味はありません」残りは5戦、争われるポイントは141。ピアストリは昨年のメキシコでQ1敗退から8位入賞を果たしており、標高2000m超の過酷な条件で再び好結果を狙う。標高による低密度の空気がマシンのダウンフォースを得にくくするこのコースで、マクラーレンは持ち味のバランス性能を発揮できるかが焦点となる。勢力図の再構築が進む三つ巴のタイトル戦シーズン終盤に入り、タイトル争いはピアストリ、ノリス、フェルスタッペンの三強構図に明確化した。ピアストリは安定した速さを維持しているが、ここ4戦ではミスや不運も重なり、優勝から遠ざかっている。対照的にフェルスタッペンはメカニカルバランスの改善とアップグレードの成果により、レッドブルRB21のポテンシャルを最大限に引き出しつつある。ピアストリにとって重要なのは、ノリスとのチーム内バトルを制しつつ、フェルスタッペンの勢いを封じることだ。メキシコはマクラーレンにとって得意とは言い難いが、タイヤマネジメントとパッケージの総合力で勝負できる舞台でもある。標高が生む空力効率の差が、三者の戦力差をさらに際立たせることになりそうだ。
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