決意のビニャーレス、イタリアGPで6位フィニッシュMonster Energy Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスが、驚異的なスタミナと粘り強さを見せ、12番手から挽回し6位でチェッカー。チームメイトのバレンティーノ・ロッシは7ラップ目に転倒してリタイアとなっている。グリッド7番手からスタートしたビニャーレスは、第1コーナーの混戦に巻き込まれて12番手まで後退。その後ふたつ取り戻してファビオ・クアルタラロの後ろにつけ、9台で展開されるトップグループ加入を目指す。
粘り強くついて行き、少しずつ差を詰めていくなか、残り11ラップでF・バニャイア(ドゥカティ)の転倒もありグループの後尾に追いついた。その後、再び離される場面もあったが、豊富な経験と持ち前の冷静さでタイヤを温存しながらの走行。レース終盤には前のライダーに果敢に仕掛けていった。残り8ラップでJ・ミラー(ドゥカティ)が転倒したため8番手へ。ここからさらに激しくプッシュすると、次の2ラップでクアルタラロとC・クラッチロー(ホンダ)をとらえて6番手へと浮上した。この時点で5番手との差は1秒強と開いており、懸命の追い上げも叶わずそのまま6位でチェッカーを受けた。トップとの差は7.481秒だった。一方のロッシはグリッド18番手から絶好のスタート。巧みに集団をすり抜けて1ラップ目終了時点で16番手につけ、さらにJ・ロレンソ(ホンダ)をパスして15番手に浮上した。ところが第4コーナー進入でJ・ミル(スズキ)のリアに接触してコースアウト。転倒は免れたものの、22番手までポジションを下げて戦いは振り出しに戻ってしまった。前車の転倒により、ひとつ上げたあと、激しいプッシュで挽回を図ろうというところ、ロッシは7ラップ目の第9コーナーで転倒。再スタートを試みるも、マシンにダメージがありレース続行は不可能だった。ホームGPでノーポイントに終わったロッシは、シリーズポイントでトップから43ポイント離されてランキング5位に後退。6位を獲得したビニャーレスはランキング10位から8位へ浮上した。ヤマハはコンストラクターズ・ランキング4位、Monster Energy Yamaha MotoGPはチーム・ランキング3位となっている。クアルタラロが10位、モルビデリは6ラップ目に転倒リタイアPETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロはグリッド2番手からスタートして10位。F・モルビデリは6ラップ目、9位走行中に転倒した。クアルタラロはスタートで出遅れて大きく後退。そのあとハイペースで追い上げて第2グループに追いつき、最後までそのなかでバトルを展開して10位でチェッカーを受けた。この結果、シリーズポイントを31に伸ばしてランキング12位。トップ・ルーキーの座もキープしている。一方のモルビデリは6ラップ目の第15コーナーでフロントから転倒。それまで9番手を走行していたが、再スタートすることはできなかった。シリーズポイントでは合計34ポイントのランキング11位。次回は6月14日~16日、バルセロナはカタルニア・サーキットで開催される。Monster Energy Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス(6位)「マシンのフィーリングがつかめず、タイヤもとても滑りやすくて、今日は非常に苦しい戦いでした。正しい方法でプッシュし、タイヤをベストの状態に保とうと努力しましたが、思うようにはいきませんでした。現時点で6位入賞のレベルに至っておらず、もっと努力が必要だと感じています。次のレースでどこまでできるか見当がつきませんが、たとえプラクティスが順調でも、決勝はまた別の話ということになるのでしょう。マシンはグリップ不足に大きく影響されてしまいます。少しでもフィーリングを良くして前へ進むために、これからまたハードワークを続けるだけです」バレンティーノ・ロッシ(DNF)「ウイークを通してペースが上がらず、苦しみ続けました。フリープラクティス第3セッションではミスをしてしまい、その結果、グリッドの遥か後方からスタートしなければならなくなりました。決勝では、ミルをパスしようとしたら彼もポジションを守ろうとして互いに接触。幸いどちらも転倒はしませんでしたが、コースアウトして順位を下げてしまいました。そのあと懸命に挽回を図るなかでフロントから転倒し、厳しい週末が最悪の結果で幕を閉じることとなりました。地元ムジェロでこのようになったことは本当に残念。次はもっとがんばります」マッシモ・メレガリ(チームディレクター)「当然ながら、私たちは非常にがっかりしています。厳しい戦いになることは初めからわかっていましたが、チームのホームGPにはもう少し期待していたのです。そんななかでマーベリックのがんばりには感銘を受けました。スタートは理想からかけ離れたものでしたが、そこから懸命に挽回して6位を獲得。ペース自体が決して好調ではなかったことを考えれば、それは現実的に彼にできる最高の仕事でした。バレンティーノのほうは、まさに悪夢という結果です。グリッド18番手からの追い上げは大変なことですが、結局はコース上のアクシデントによって戦いは終わってしまいました。このイタリアGPは彼にとっては早く忘れたいものになったと思いますが、私たちチームは反対に、この経験から学んで次につなげなければならないと決意を新たにしています」PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamファビオ・クアルタラロ(10位)「始めから手間取ってしまいました。スタート自体は悪くなかったのですが、小さくウイリーしてしまってポジションを下げることになったのです。そのあと周回が進むうちにフロント・タイヤへの負担が大きくなり、良いフィーリングが得られなくなりました。昨日まではとても好調だったのに、それを結果につなられなかったことが残念です。でも私たちの目標はベスト・ルーキーで、今日はそれを達成することができました。焦らず、一歩一歩進んで行きたいと思っています。次のカタルニア・サーキットは好きなコースのひとつなので、MotoGPマシンで走るのを楽しみにしています」フランコ・モルビデリ(DNF)「スタートはうまく飛び出して最初の数メートルは良かったのですが、いろいろな原因が重なって大きく遅れてしまいました。そのあとは少しずつリカバーしてペースも徐々に上がってきていたのですが、6ラップ目の最終コーナーでミスをして転倒してしまったのです。追い上げが順調でしたし、あの時点では5位を狙えると考えていたので、本当に悔しい気持ちでいっぱいです。それでもウイーク全体を振り返ってみれば、とても好調だったと思っています。初日の金曜日は少し苦戦しましたが、土曜日はハイペースで走れましたし、今日...
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