MotoGP 第14戦 アラゴンGPのウイーク初日は暑さの中で始まった。そのなかでMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは、マシン・セッティングの向上に努めて、それぞれ総合9番手と10番手につけた。Movistar Yamaha MotoGPは3週間前にここアラゴンでプライベート・テストを行っている。バレンティーノ・ロッシはそのときのデータを生かして、フリープラクティス第1セッションの開始早々から好調な走り。
45分間のセッションのほとんどをデータ確認に集中し、終盤でペースアップを図ると残り2ラップで1分48秒958を記録して6番手に浮上した。しかし最終ラップではラップタイム更新ならず、7番手に後退してセッションを終了。トップとの差は0.938秒だった。午後からの第2セッションでは、もう一歩前進を狙う。マシン・セッティングの追求を続けながら終盤でその成果をチェック。他の多くのライダーがポジション・アップを目指すなかでもロッシは遅れてタイムアタックを開始したが、最終的には第1セッションのタイムを0.5秒近く短縮して1分48秒501を記録。トップから1.119秒差の9番手となった。一方のマーベリック・ビニャーレスは、今季3度目となるホームGPに意欲満々。スペインのナショナル・カラーに合わせた赤×黄のカラーリングを施したヘルメットにはアラゴンをイメージするステッカーを貼ってお気に入りのコースに飛び出していった。そして45分間のセッションのなかで少しずつペースを上げてゆき、最後の6分では暫定ポールに並ぶ1分48秒803をマーク。ところがそのあとさらに全体のペースが上がったため、ビニャーレスはトップから0.783秒離されて5番手となった。第2セッションでは、難しいコースの攻略に不可欠となるマシンの重量配分に作業を集中。この日と同様の暑さが予想される決勝日に向けて、さらなるセッティング向上に努めた。その結果、セッション終盤で1分48秒552に短縮し、トップから1.170秒差の10番手でセッションを終了。第2セッションで全員がタイムを更新したため、ロッシとビニャーレスはそれぞれ総合9位と10位につけて明日のフリープラクティス第3セッションを迎える。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはフリープラクティス第1セッションで8番手を獲得。第2セッションでは、わずかにラップタイムを更新したが、ヤマハ勢のトップから0.496秒差の17番手に後退した。一方、ザルコのチームメイトのハフィス・シャーリンは、コース攻略法を探りながら第2セッションで0.757秒も短縮。順位では23番手に留まり厳しい状況だが、明日のフリープラクティス第3セッションでさらにペースアップを狙う。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合9番手/1分48秒501)「ここアラゴンでは、いつも厳しい戦いを強いられてきたので、今日はトップ10に入ることがとても重要でした。前回のミサノもかなり苦戦しましたが、ここでも同様の問題があり、トップ10に入ったと言ってもトップとの差は非常に大きくなっています。私たちは決勝に向けて集中し、すべての細かい部分を改善し、少しでも上を目指していかなければなりません」マーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合10番手/1分48秒552)「前回のテストのときと比べると、路面の状態がかなり良くなっていると思います。しかしどういうわけか、マシンがあのように順調には走ってくれません。セッティングは完全に同じにしているのに、どうしてもうまく働いてくれず、私たちとしては、ひたすら忍耐力を持って作業に集中し、できることをすべて行うしかありませんでした。リアタイヤは、私の感覚ではまったくグリップしていないと言ってよく、ピットに戻ってきたときには、ひどく消耗しているのです。テストのときには一本のタイヤで30ラップを走ることができたのですが...。原因をつきとめたいと思っていますが、これがなかなか難しい状況です。そういう意味では、今日は前回のテストの成果を生かすことができませんでした。私自身はとても好調ですが、ただマシンのほうが違う動きをしてしまうのです。これからデータを分析して明日に備えます」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「非常に厳しいスタートになりました。3週間前のテストのときよりコース・コンディションは良くなっているにもかかわらず、あのときの成果を少しも生かすことができません。課題は一か所ではなく、本当にたくさんあって、タイヤが問題をさらに大きくしてしまっているような状況です。決して簡単ではありませんが、明日の予選でライダーたちにベストのマシンを提供できるように、チームとして努力を続けます」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合17番手/1分48秒997)「フリープラクティス初日は厳しい一日になりました。第1セッションは自分の想像よりはうまくいって、マシンのフィーリングが良かったので満足できました。しかし午後になって気温が上がると、この良いフィーリングがすべてなくなってしまい、グリップが落ちてどうすることもできなくなりました。できることはすべてやったつもりですが、すべてのラップで遅すぎたのです。このように非常に残念な状況ですが、トップ10を目指して戦い続けます。しかし今のところは、この大きなギャップを埋める方法が見つかりません」ハフィス・シャーリン (フリー走行総合23番手/1分49秒937)「フリープラクティス第2セッションで良いフィーリングをつかみ、状況が好転しました。最初の走行で早くも、第1セッションからコンマ6秒更新できたのです。そのあともう一台のマシンを使って異なるセッティングを試してみましたが、タイヤは同じものなのにグリップが落ちてしまいました。終盤では新品タイヤを履きましたが、残念ながらコーナー途中でフロントのフィーリングが良くなく、原因はわかっていません。順位でかなり遅れてしまっているので、改善すべき箇所を見つけ出せるよう努力していきたいと思っています。私があらゆることをもっとよく理解することが重要なのだと思っています。私自身もマシンも良い状態にあるのですが、ただコースに出ると、どういうわけかうまくいかないのです」
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