2019年のMotoGP第6戦イタリアGP決勝は、ムジェロサーキットを84,000人の熱狂的MotoGPファンが埋め尽くし、例年通り興奮の渦に包まれてスリリングなスタートを切った。午前のウォームアップセッションではジョアン・ミル、アレックス・リンス共に有益な改善を見いだし、ミル2番手、リンス4番手と上位ポジションでセッションを終了。
アップダウンに富むテクニカルなサーキットでの23周の激しい決勝レースは、リンス、ミル共にフロントハード、リアミディアムのタイヤコンビネーションを選択。ふたりのライダーは後方グリッドからのスタートながら、揃って好スタートを決め、リンス7番手、ミル13番手で1周目を通過。ルーキーのミルは好ペースで追撃体制に入るも、5周目に他車と接触しグラベルにコースアウト。しかしその後も猛追撃を緩めることなく12位までポジションを上げ、カタールGP以来のポイントを獲得する。リンスは決勝開始後2周目にはトップグループにジャンプイン。残り14周目にはトップに立ってレースをリードし、トップグループ5台で激しい順位争いが繰り広げられる。ミラー(ドゥカティ)が転倒後は4台のトップ争いとなり、バトルは最終ラップまで止むことなく息を飲む展開が続く。リンスは最終ラップの最終コーナーで最後の仕掛けに挑むも僅差で敗れ、4位でチェッカーを受けてチャンピオンシップは3位に留まることとなった。河内 健 テクニカルマネージャー「昨日の予選順位を考えると、今日のアレックスは素晴らしいレースをしてくれたと思います。今回のレースは我々のマシンのポジティブな部分とネガティブな部分が明確に分かり、ネガティブなポイントに対してはアレックスに非常に申し訳なかったと思っています。我々も最大限努力してさらにマシンのポテンシャルを上げ、今回の上位ライダーを倒せるようにしていきたいと思います。ジョアンに関しては開幕戦以来のポイント圏内の完走だったので、それは非常に良かったですし、接触、コースアウトがなければさらに上位が狙えたと思うので、今日は久しぶりにふたりが揃ってポイント圏内でレースを終えたことをポジティブに捉えたいと思います。これからも安定してこのような成績を残せるよう努力を続けていきますので、変わらぬ応援をよろしくお願いします。」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「アレックスは13番手グリッドから脅威のオーバーテイクを続け、本当に素晴らしいレースをしてくれました。しかし、彼が全てを出し切っても表彰台に届くことができず、彼に対して残念で申し訳ない気持ちでもあります。しかし今日のレースで我々のポテンシャルを再び証明することができましたし、我々のマシンと相性の良いサーキットでは必ず結果が残せると思っています。ジョアンも20番手グリッドから12位まで順位を上げてゴールし、今日は久しぶりにふたりのライダーが揃ってポイントを獲得してくれました。他車との接触、コースアウトがなければ、ジョアンはさらに上の順位でゴールすることができたと思うので、ふたりのライダーのパフォーマンスに非常に満足しています。」アレックス・リンス「予選グリッドがもっと良かったとしても、今日はこれ以上のリザルトを残せたとは思わない。オープニングラップでかなりのライダーをオーバーテイクしたのに、ストレートで毎周オーバーテイクされてどうすることもできなかったからね。このサーキットでこういう展開になることは予想していたけど、毎周全力で闘ったのに表彰台に届くことができなかったことが本当に残念さ。とにかく今日はスタートからゴールまで100%の力を出し切って戦ったし、ラストラップの最終コーナーで最後のチャンスを賭けてドビツィオーゾに仕掛けたけど、オーバーテイクは叶わなかった。でもチャンピオンシップを考えれば今日の4位は悪くないと思っているよ。」ジョアン・ミル「望んでいた順位には遠いし、この週末のポテンシャルを出し切った結果とは言い難いけど、とにかく久しぶりにポイントを獲得できたことが嬉しいよ。他車との接触でコースアウトしてしまい、7秒ほどロスしてしまったせいでトップ10入りのチャンスを逃してしまったけど、今週末チームが素晴らしい仕事をしてくれたお陰でマシンのフィーリングがかなり向上し、レースを楽しむことができた。これから結果がついてくるだろうと信じているよ。」