MotoGP第9戦チェコGPのスプリントレース後、選手権首位のマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)に対して決勝レース出場停止処分が科された。FIMスチュワードは、クラッシュ後のマーシャルとの接触行為を「スポーツの利益を損なう行為」と判断し、日曜日の決勝レースからの除外を決定した。
クラッシュ後のマーシャルとの接触が問題にベッツェッキはブルノで行われたスプリントレース終盤、残り2周でターン3のグラベルトラップで転倒した。問題の場面はテレビ中継では放送されなかったが、転倒したアプリリアRS-GPをマーシャルが回収している最中に発生した。報道によると、マーシャルが車両を持ち上げた際に誤ってスロットルをひねり、エンジン回転数が上昇。エンジンへのダメージを懸念したベッツェッキは慌てて現場へ向かった。FIMスチュワードは、その際にベッツェッキがマーシャルを押し、叩いたと認定した。オンボード映像には、ベッツェッキがエンジンを停止させた後、その場を立ち去る様子が映されていた。FIM「マーシャルを押し叩いた」FIM MotoGPスチュワードは裁定文の中で次のように説明した。「2026年6月20日16時07分41秒、チェコGP MotoGPスプリントレース中、転倒後にマシン回収を行っていたコースマーシャルを押し、叩いた」スチュワードはこの行為について、MotoGP世界選手権規則第3.3.2.2条に定められた「スポーツまたは競技会の利益を損なう行為」に該当すると判断した。その結果、規則第3.2.1条および第3.3.2.3条に基づき、チェコGP決勝レースへの出場停止処分が科された。タイトル争いに大きな打撃ベッツェッキはスプリント終盤まで5位を走行しており、チームメイトでランキング2位のホルヘ・マルティンとの差を広げるチャンスを手にしていた。しかし転倒によりポイント獲得を逃しただけでなく、決勝レースも欠場となったことで選手権争いに大きな影響が及ぶことになった。スプリントではベッツェッキの転倒によってマルティンが5位に繰り上がり、5ポイントを獲得。ランキング差は15ポイントまで縮まった。決勝ではベッツェッキが不在となる一方、マルティンは予選10番手から9番手へ繰り上がる。ただしマルティンにはハンガリーGPでの接触事故に対するロングラップペナルティ2回が残されている。またランキング3位のファビオ・ディ・ジャンアントニオ(首位と36ポイント差)、4位のペドロ・アコスタ(48ポイント差)、そして前年王者マルク・マルケス(65ポイント差)にとっても、ベッツェッキ欠場は差を縮める絶好の機会となる。今回の処分により、2026年MotoGPタイトル争いはブルノ決勝を前に大きく動く可能性が出てきた。