2週連続開催となったシュピールベルクサーキットでのレースは、今回も赤旗中断による2レースとなった。Monster Energy Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシは、2回に分けられた決勝で9位とし貴重な7ポイントを獲得。マーベリック・ビニャーレスはブレーキングでトラブルが発生しリタイアとなった。PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリはそれぞれ13位と15位を獲得した。
赤旗再レースでロッシが9位を獲得ロッシは両レースとも好スタート。序盤で大幅に順位を挽回したことで9位獲得という結果を得ることができた。一方のマーベリック・ビニャーレスは、ブレーキに技術的な問題が発生しリタイア。幸い怪我はなかったが、第2レース出場は認められなかった。14番グリッドから好スタートを切ったロッシは1周目で5台パスして9番手。しかし勢いは続かず、11番手まで後退したところで、チームメイトにアクシデントが発生してレースは中断となった。14時35分に再びピットレーンが開放され、ロッシは12周で行われることとなった2度目のレースを11番手からスタートしすぐさま9番手へ浮上。次のラップでもう1台パスして8番手につけ、4台による4位争いの後方から挽回のチャンスをうかがっていた。しかし集団のペースについていくことができず、残り7ラップではA・リンス(スズキ)に先行されて再び9番手。このあともあきらめずについて行き、終盤ではB・ビンダー(KTM)を追い詰めたが届かず9位でチェッカーを受けた。トップとの差は4.517秒だった。一方のビニャーレスは5番グリッドからスタートし6番手で1ラップ目を終了。その後A・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)に先行を許したものの、ペースを維持してぴたりと後方につけ、6ラップ目には一旦前に出たが、ストレートで再び逆転されてしまう。このあとブレーキングで問題が発生。少しずつ順位を下げたビニャーレスは残り12ラップ、第1コーナーへ進入しようというところでブレーキが機能不全となり、転倒してそのままリタイア。第2レースは出場することができなかった。この結果、シリーズポイントではビニャーレスがトップから22ポイント差のランキング5位。ロッシは25ポイント差の7位となっている。ヤマハはコンストラクターズランキングのトップを維持、Monster Energy Yamaha MotoGPはチーム・ランキング2位をキープしている。クアルタラロとモルビデリは13位と15位灰色の雲が頭上を覆うものの、ドライコンディションを維持してスタートした決勝。クアルタラロとモルビデリはともに大きく出遅れて14番手と15番手から挽回を目指した。クアルタラロは徐々に調子を取り戻し10番手までポジションを上げたが、17ラップ目にビニャーレスが転倒してレースはレッドフラッグにより中断。モルビデリはこの時点で16番手となっていた。12ラップで競われることとなった第2レースも、クアルタラロはスタートで出遅れ、モルビデリも前との距離を縮められないまま周回が続いていった。ふたりはコースコンディションに苦戦し、それぞれ13位と15位でレースを終えた。シリーズポイントではクアルタラロがランキングトップをキープし、モルビデリは11位。PETRONAS Yamaha SRTもチームランキングのトップを守っている。Monster Energy Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(9位)「このコースで苦戦することは初めからわかっていました。とくに2週目の今回はライバルたちがより強くなっていて、前回よりもペースが上がっていたのです。ここがヤマハ向きのコースでないとは言え、ここまで差をつけられるとは思っていなかったので残念です。また、今回もまたレッドフラッグのレースになってしまいました。ビニャーレスは幸いにも、ぎりぎりのタイミングでマシンを飛び降りることができましたが、非常に恐ろしい瞬間でした。この2戦、ブレーキングでは限界のところで走らなければなりませんでしたが、とくにヤマハが苦労したようです。私も先週はそこに悩まされ、今週は話し合いながら、モディファイを加えて臨んでいました。最初のレースではブレーキの調子はあまり良くありませんでした、2度目のレースでは良くなって大きな問題は感じられませんでした。このあとは次のミサノに向けて準備を始めます。すぐそばに自宅があるので行き来も楽なんです。昨年は良いレースができたので、今年も上位を目指していきます」マーベリック・ビニャーレス(DNS)「4ラップ目頃からブレーキがうまく効かない状態でした。それでもベストを尽くし、ドビツィオーゾに仕掛けて前へ出ることができたのですが、ストレートで一気に抜き返されてしまいました。この3戦、とてもいい仕事をしていながら決勝では苦戦し、自分たちのミスによって上位を逃してしまったことは残念です。今日の転倒は驚くべき出来事で、あのような感覚は今まで一度も味わったことがありません。ブレーキが完全に効かなくなり、マシンから飛び降りなければならなかったのです。これがどのようにして起きたのかは理解しています。ブレーキがオーバーヒートしたのですが、このようなことは決して一般的なことではありません。幸い、私自身は無事で、そのことが最も大切。次のミサノにはまた100%の状態で臨みます。私たちは常にポジティブな気持ちを維持し、次のレースに集中していかなければならないのです。ミサノはヤマハと相性の良いコースで、昨年はいいレースができました。今年はもっと上を目指せると思います」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「非常に残念なことに、今回もまた良い結果を得ることはできませんでした。私たちにとって、このコースでのオーバーテイクが難しいことは明らかだったので、ライダーたちは何としてもスタートで前へ出なければならなかったのです。ロッシはそれを両レースで成功させ、もともとの14番グリッドから9番手まで上がることができました。ビニャーレスはブレーキの問題を抱えていましたが、少しでもポイントを獲得するため走行継続を決めていました。しかし第1コーナー進入で完全にブレーキが効かなくなり、一瞬のうちに飛び降りる決断を下さなければならなかったのです。彼に怪我がなかったことに感謝しています。この問題については2週間のインターバルの間にしっかり調査を終えなければなりません。そのあとはミサノで2レース、カタルニアで1レースとトリプルヘッダーになりますが、両サーキットともヤマハに合ったコースなので、それを私たちのアドバンテージとして最大限に活用したいと思っています」PETRONAS Yama...
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