ルイス・ハミルトンが前戦スペインGPでフェラーリ移籍後初優勝を飾り、メルセデスの開幕6連勝が止まった。2026年シーズン序盤を支配してきたメルセデスだが、ライバル勢の巻き返しを受け、チーム代表トト・ヴォルフはオーストリアGPでの反撃を誓っている。コンストラクターズランキングでは依然として72ポイント差で首位を維持し、ドライバーズランキングでもアンドレア・キミ・アントネッリがハミルトンに41ポイント差をつけてトップに立っている。
しかしヴォルフは、現在の状況に危機感を抱いている。バルセロナで突き付けられた現実前戦スペインGPは、メルセデスにとって今後の課題を浮き彫りにする週末となった。ヴォルフは、ライバル勢の急速な進歩を認め、チームもさらなる改善が必要だと語った。「バルセロナは現在のパフォーマンスを測るベンチマークとなった。開幕から6連勝したあとだっただけに、現実を突き付けられる結果になった」「ライバルたちは急速に差を縮めてきており、私たちも対応しなければならない。両タイトルを争う立場にあるが、シーズン終了時に頂点に立つためには改善が必要だ」一方で、今季のメルセデス最大の課題は信頼性だ。ここまでマシントラブルによって43ポイントを失っており、これは全チーム中で最多となっている。カナダGPではジョージ・ラッセルが勝利目前でリタイアを喫し、スペインGPでは2位走行中だったアントネッリもマシントラブルで18ポイントを失った。ヴォルフは次のように続けた。「ここまでの最大の弱点は信頼性だ。ここ数戦で両マシンとも多くのポイントを失ってしまった。クリーンな週末をまとめられなければ、ライバルたちは喜んでその隙を突いてくるだろう」オーストリアGPで新アップデート投入メルセデスは巻き返しに向け、オーストリアGPへ新たなアップデートを投入する。カナダGPで導入した大型アップデートをさらに発展させたもので、W17の性能向上と信頼性改善の両面を狙っている。ヴォルフは次のように説明した。「私たちは立ち止まるつもりはない。今週末のオーストリアでは、パフォーマンスと信頼性の両方を改善することを目的としたアップデートをいくつか投入する」レッドブル・リンクは1周が短く、わずかなタイム差が予選・決勝の結果を左右するサーキットだ。高地特有の厳しい条件も重なり、マシン性能だけでなく信頼性も重要な勝負の鍵となる。ヴォルフは最後に、完璧な週末をまとめる必要性を強調した。「タイム差は非常に小さく、シュピールベルクではラップタイムが短いだけに、その差はさらに縮まる。ここ数戦よりも良い週末をまとめなければならない。しかし、自分たちの力を最大限に発揮できれば、勝利を争うことは十分可能だ」メルセデスはフェラーリやマクラーレンの追い上げを受けるなか、オーストリアGPで投入するアップデートによって巻き返しを狙う。性能向上だけでなく、今季最大の課題となっている信頼性の改善も実現できるかが、タイトル争いの行方を左右する重要なポイントとなりそうだ。【関連】・フェラーリの問い合わせでFIAが動く メルセデスF1のディフューザーに規制強化か