2026年のF1で圧倒的な強さを見せているメルセデスだが、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは、パワーユニット性能の評価を巡るADUO(性能調整措置)制度において、メルセデスが意図的に実力を隠している可能性があるとの見方を示した。レッドブルがFIAの分析結果に異議を唱える中、シュタイナーは「もし誰かが制度を利用するなら、それはトト・ヴォルフだろう」と語り、メルセデスが出力を意図的に抑えている可能性を指摘した。
シュタイナー「出力を下げるのは簡単」2026年シーズンはここまで7戦中6勝を挙げるなどメルセデスが主導権を握っている。しかしFIAのベンチマーク評価では、レッドブル・フォードのパワーユニットが最も優れていると判断され、メルセデスはADUOの適用対象となった。これに対してレッドブルは異議を申し立て、FIAにさらなるデータ検証を求めている。ポッドキャスト『The Red Flags Podcast』でこの件について問われたシュタイナーは、メルセデスが意図的に出力を抑えている可能性があるとの見解を示した。「あり得る話だ。バルセロナを見てもそう思う」「こういうことをやる人がいるとすれば、それはトトだろう。彼は非常に頭がいいからね」シュタイナーによれば、FIAはトルクセンサーを用いてドライブシャフトや出力軸のデータを測定し、各メーカーのパワーユニット性能を比較しているという。「レッドブルはFIAに対してデータの継続的な確認を求めている。トルクセンサーによってどれだけ馬力が出ているかを測定しているんだ」「しかしメルセデスは、許される範囲でできるだけ遅く見せようとしているかもしれない」「優位性を維持できるなら、なぜそうしない? もし本当にパワーがあるなら、出力を下げるのは簡単だからね」『信頼性のため』と言えば説明できるシュタイナーはさらに、出力を抑える行為自体は規則違反ではないと指摘した。「パワーを減らすことは禁止されていない」「『信頼性のために出力を下げた』と言えば説明はつく」「だから、もし余裕があるなら出力を落とすのは難しいことではない」もっとも、シュタイナーは具体的な証拠を示したわけではなく、あくまで制度上の可能性として語っている。ヴォルフは政治的介入を否定一方、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、バルセロナ・カタルーニャGPの週末にこの論争について質問されると、FIAの分析結果は純粋にデータに基づくものだと強調した。「ニコラス・トンバジスに聞けば分かると思うが、これはFIAが収集し測定したデータに基づいている」「政治的な背景もなければ、誰かへの便宜もない」「トルクセンサーから得られたデータを分析した結果が、あの判断だったということだ」さらにヴォルフは、評価は固定されたものではなく今後も定期的に見直されると説明した。「これは凍結された状態ではない。数レースごとに再評価が行われ、その都度判断されることになる」ADUO論争は今後も続く可能性今回の論争の背景には、メルセデスがシャシーと車体パッケージで圧倒的な強さを発揮している一方で、FIAの分析ではレッドブル・フォード製パワーユニットが最も高性能と評価されたというギャップがある。レッドブルは引き続き検証を求めており、今後予定される再評価で結果が変わるかどうかが注目される。シュタイナーの発言は憶測の域を出ないものの、ADUO制度を巡る議論に新たな火種を投じた形だ。
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