メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、ルイス・ハミルトンがF1引退を決断した場合、マックス・フェルスタッペンは“自然”と獲得リストに入ってくると認めるが、将来の方向性が明確になるまで2022年にむけてハミルトンとバルテリ・ボッタス以外のドライバーをスカウトすることはないと語る。メルセデスF1は、昨年夏にバルテリ・ボッタスと1年間の契約延長に合意。そして、今年2月にはルイス・ハミルトンと2021年シーズンをカバーする1年契約を結んだ。
それは、チャンピオンチームのメルセデスF1の2022年シーズンのドライバーが確定していないという珍しい状況となっている。ルイス・ハミルトンは、8回目のF1ワールドチャンピオンを獲得することが必ずしも目標ではなく、それが理由で1年しか契約しなかったことをほのめかしている。しかし、メルセデスのボスであるトト・ヴォルフは、代替オプションを検討する前に、現在のラインナップと状況を話し合うことが優先されることを強調している。「ルイスの献身に疑いの余地はない。まず、彼はレースを楽しんでいる。実際、我々は一緒に仕事をすることを楽しんでおり、それについて多くのことを話をした。彼は正しい。時代は変わり、新しい優先事項がある。ルイスは人種差別や不平等に対する彼のイニシアチブにも非常に情熱を注いでいる」とトト・ヴォルフは語った。「さらに、2022年には技術ルールに大きな変更がある。それは今後数年間のF1を変えるものになるだろう。それがルイスにとって大きな役割を果たしたとは思わないが、7回のタイトルを獲得したドライバーが、将来それがレースであろうと、F1サーカス以外の何かであろうと、何をすべきかを決める柔軟性を自分自身に与えたいと考えるのは当然のことだ」レッドブル・レーシングのF1チーム代表であるクリスチャン・ホーナーも示唆するように、マックス・フェルスタッペンの名前は論理的にルイス・ハミルトンの後継者として挙がっている。この件について質問されたトト・ヴォルフは、マックス・フェルスタッペンがメルセデスF1の獲得リストに載るのは“自然”なことだと認める。。「我々は将来何をしたいのかを相互に理解している。それは今後のルイスとの話し合いにも当てはまる」とトト・ヴォルフは語った。「マックス(フェルスタッペン)は確かに優れた若いドライバーであり、将来的には誰もが注目することになるだろう」「以前にも言ったように、2人のドライバーと明確な理解を得るまでは、外部のドライバーを誘惑することはない」ルイス・ハミルトンが2021年以降もF1を続けることを決定した場合、最初にメルセデスF1と交渉の席に着くのはハミルトンだ。だが、トト・ヴォルフは、2022年にハミルトンがメルセデスF1でナンバー1になるかどうかについては明言を避けている。「我々は一緒に多くの成功を知っており、多くの相互信頼を持って良好な関係を築いている。つまり、2022年以降のすべての会話が最初に彼と行われることを意味する」とトト・ヴォルフは語る。「ルイスが2021年以降もレースを続けるなら、一緒にやりたいと思っている。一緒に話し合うつもりだ。バルテリとともに、我々が何を持っているかを正確に知っているし、彼に感謝している。同時に、新しいマシン、新しいルール、レギュレーションによって状況が変化する。チームの将来のために正しい決定を下さなければならない。つまり、最初にこれらのドライバーと一緒に座って、それがどうなるかを見ていきく」いずれにせよ、メルセデスとルイス・ハミルトンは昨シーズンほど契約状況について話題になることを望んでいない。そのため、新しい契約についての決定は1月前に行われなければならないトト・ヴォルフは強調する。「我々は、2020年のような状況を回避するために、今年のかなり早い時期に議論を始めることでルイスと合意している。1年契約しか締結しなかったのは、今年以降の将来についてより長く話し合うことができるようにするためだ」昨年のF1サヒールGPで印象的なパフォーマンスを見せたメルセデスF1が支援するジョージ・ラッセルは、今年でウィリアムズとの3年間の契約の最終シーズンを迎える。バルテリ・ボッタスとジョージ・ラッセルの両方が直面している状況について、トト・ヴォルフは次のように述べていた。「バルテリはできる限り良いパフォーマンスを発揮するために常にチームから無条件のサポートを受けている。それは2021年も変わらないだろう」とトト・ヴォルフは語る。「彼は、未来に影響を与えることが自分の手にあることを知っている」「ジョージに関しては、我々がジョージの実力を知っている、そして、いずれにせよ、ジョージの未来は明るい。そして、それはメルセデス内のドライバーの状況がどのように広がるかに依存する」
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