メルセデスのモータースポーツ責任者のトト・ヴォルフは、F1ハンガリーGPの決勝でピットウォールのデータが不足したことでフェラーリのトラブルを生かすことができなかったと述べた。F1ハンガリーGPのレース中、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスは無線が使えず、エンジニアとコミュニケーションを取ることができない状態が続いた。
レースを制したフェラーリのセバスチャン・ベッテルはステアリングの問題に見舞われており、ルイス・ハミルトンが2台のフェラーリに迫っていた終盤には、メルセデスが勝利を奪い取るのではないかと見られたものの、両マシンのデータが不足していたために全力で攻めることができなかった。トト・ヴォルフは、このトラブルがなければ優勝も可能だったと考えている。 「ローカルなハードウェアトラブルだった。光ファイバーケーブルに断裂が見つかっており、そのせいで通信障害に陥った」とトト・ヴォルフはコメント。「全てのコミュニケーションとデータシステムが故障した。我々が中心に据えている“ファンタジー・アイランド”やピットウォールとまったくコミュニケーションを取ることができなかった」「無線、データも、TVのフィードも失われた。何とか戻ってくることもあったが、明らかにそれが影響を及ぼした。コミュニケーションがとれるときもあれば、全く駄目なときもあった。厳しい状況だった」 この問題によって、メルセデスはイギリスの拠点にあるシステムに頼らざることになった。ピットウォールは、この拠点のシステムによって何が進行中かを把握することができた。「信じられないチームプレイだった。ブラックリーとブリックスワースで冗長性システムで作業している多くのメンバーがおり、無線で我々に大量の情報を届けてくれた。時には6~7人がジェームス(ボウルズ:ストラテジスト)と話し、我々は正しい決断をしようと努力していた。チームは本当によく頑張っていた」この問題が解決した後、ルイス・ハミルトンは、1回目のピットストップを終えるタイヤに満足していたとして“この無線状況はうんざりだ”と不満をこぼしていた。トト・ヴォルフは、このトラブルのせいでバルテリ・ボッタスがルイス・ハミルトンを先行させて、フェラーリ勢にアタックするという戦術がうまく機能しなかったと考えている。「あと何周か前に実行することはできたはずだ。なぜなら、彼はもっと速くいけると話していたからね。タイヤの状態がまだ良いとも言っていたし、彼を行かせることはできたはず」「最後はフェラーリ勢にかなり接近していたし、これがレース結果に大きな影響を与えたかもしれない。しかし、たらればを話したところで、優勝できるわけではない」
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