マクラーレン・ホンダは、F1イタリアGPの決勝で フェルナンド・アロンソがギアボックスのセンサーの不具合、ストフェル・バンドーンがパワーユニットのトラブルによってダブルリタイアに終わった。今日はモンツァにいるチームにとって、非常に残念な一日となった。本日の決勝を迎える前夜に、ストフェル・バンドーンのMGU-Kに問題があることが発覚。
パワーユニット内のMGU-Kのみを交換することは可能であったものの、その作業は非常に時間がかかり、パルクフェルメ(マシンの保管場所)での作業に制限があったことから、時間内に交換作業を完了することは不可能だと判断した。そこで、チームはストフェル・バンドーンのエンジン一式を交換することを選択。それにともない、新しいMGU-K、MGU-H、ICE(内燃機関)およびターボチャージャーを搭載したため、今日のレースで25グリッドの降格ペナルティーを受ける結果となった。そのためストフェル・バンドーンは、同じくパワーユニット交換により35グリッド降格ペナルティーを受けた19番手のフェルナンド・アロンソのすぐ前の、18番手からスタートした。両ドライバーは後方からすばらしいスタートを切り、すぐにポジションを上げた。ただフェルナンド・アロンソは、ギアボックスセンサーの不具合によりシフトアップがスムーズにできず、それ以降はなかなかポジションを上げることができなかった。フェルナンド・アロンソはマシンに問題を抱えながらも、積極的に攻め、唯一のピットストップを行う前には11番手に浮上。しかしながら、ギアボックスの問題が徐々に悪化し、センサーの不具合によりチームがギアボックスの状態を確認できなくなったため、大事をとって51周目にマシンをリタイアさせることにしした。一方のストフェル・バンドーンは、1周目から力強い走りをみせ、カルロス・サインツ(トロ・ロッソ)に果敢なオーバーテイクをしかけ、着実にポジションを上げた。ストフェル・バンドーンはレースの大半でポイントを獲得できるトップ10圏内で走行を続け、19周目には7番手までポジションを上げた。しかしながら、新しいパワーユニットにおけるMGU-Kの不具合と思われる問題が再発したことでパワーを失い、力強いパフォーマンスによるポイント獲得のチャンスを逃すかたちとなった。ストフェル・バンドーンは34周目でレースをリタイアした。フェルナンド・アロンソ (リタイア)「今日は僕たちのオーナーがここで観戦していたが、残念ながら、いい結果を出すことができなかった。両マシンがリタイアとなったのは、非常に残念だ。レースの序盤からシフトアップに問題を抱えており、それによって、ある時点では1周につき約1秒という、かなりの時間をロスしていた。設定を変えて問題を解決しようとしたものの、シフトが正常に機能することはなく、レースを妨げる結果となった。このサーキットでグリッド後方からスタートするのは、容易ではない。レース中にいくつかポジションを上げたものの、今日は入賞するチャンスはほとんどなかった。次戦のシンガポールは、僕たちのマシンにここよりも適したコースなので、今から楽しみにしている」ストフェル・バンドーン (リタイア)「走行中にパワーを失ったが、リタイアした周回まで不具合の兆しはなにもなかった。昨日と同様の不具合だと思う。今日のレースに向けて、昨夜パワーユニットを新品に交換していたので、残念な結果だ。当然のことながら、非常にうまく進んでいたレースで再び問題が発生したことは、フラストレーションがたまりる。次のシンガポール戦では、状況が改善することを願っている。今回のような週末からポジティブな点をみつけるのは、かなり困難だ。自分のドライブとパフォーマンスという面では、実際にはとてもポジティブな週末だった。非常に力強い走りをみせることができたと思うし、実際にここ数戦はとても力強いレースを展開してきた。結果として再びリタイアに終わったが、懸命にドライブをしたにもかかわらず、ポイントを獲得できずに終わったのはとても残念だ。今日、また問題が発生してしまったが、気持ちを切り替えるしかない。今日、具体的になにが問題だったのかはまだ分かっていない。昨日と同様の不具合のようにみえるが、その問題により、シンガポールで再びグリッド降格ペナルティーを受ける可能性があると思う。それについては、成り行きを見守るしかない」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「今季これまで何度もあったように、今日はドライバーが優れた才能を発揮し、午後のレースでは不利な状況ながらも前向きな結果が出せるかもしれないと期待していた。しかしながら、結局、今回も残念で不満を抱く結果となってしまった。厳しい挑戦になることを予想していたコースで、両ドライバーはすばらしいスタートを切り、集団の中で可能な限り自分のポジションを死守した。6周目の最後には、ストフェルとフェルナンドはそれぞれ13番手および14番手で走行しており、ほかのマシンがピットストップを行い始めると、徐々にポジションを上げた。レース開始からわずか数周後には、フェルナンドはセンサーの不具合と思われるギアボックスの問題に苦しみ始めた。エンジニアはレース全体を通して懸命に仕事をし、ソフトウェアの修正により問題を解決しようとフェルナンドに指示を与えた。しかしながら、問題は徐々に悪化し、センサーの不具合によりギアボックスの状態を確認することがさらに難しくなったため、大事をとってマシンをリタイアさせるしかなかった。フェルナンドはレースの大半で劣勢となり、操りにくいマシンでペースと勢いを維持することは困難だと感じていた。そんな逆境でも、フェルナンドは見事で、かつ非常に果敢なレースをしました。彼が完走できなかったことは残念だ。一方、ストフェルも、残念なかたちでレースを終えた。彼は週末を通して最高のパフォーマンスを発揮し、午後のレースではその大半をトップ10圏内で走行していた。18番グリッドからスタートしながらも、一時は7番手まで浮上した。しかしながら、パワーユニットの信頼性に関する問題が再発したことで、レースを8番手からスタートするチャンスを失っただけでなく、入賞を目指して懸命にポジションを上げていた努力が無駄になってしまった。フラストレーションがたまるとともに、非常に残念な結果だ。昨日のQ3と同様の不具合と思われる問題によって、走行中にパワーを失い、マシンをリタイア...