フェリペ・マッサが、母国サンパウロGPの週末にインテルラゴスのF1パドックへ久々に姿を見せた。現在、彼は2008年のタイトル争いを巡り、FIA、F1、そして元F1最高責任者のバーニー・エクレストンを相手取った高裁訴訟の判決を待っている最中だ。11回のグランプリ優勝経験を持つマッサは、DAZNのインタビューでF1の現状と自身の戦いについて語った。
「インテルラゴスに来られて本当にうれしい。ここはいつだって特別なんだ」と44歳のマッサ。「フェラーリは予選で良い仕事をしたね。3番手という結果は重要だ。キミ・アントネッリもとても強かった。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリがどうなるか見てみよう。マックス・フェルスタッペンは予想ほどではなかったけど、明日はきっと素晴らしいレースをするはずだ」と続けた。マッサは、先週はロンドンで自身の訴訟に関する法廷審理に出席していたことも明かした。「3日間ロンドンに滞在して、不正に立ち向かってきた」とマッサは語る。「これが最も重要なポイントだ。弁護士たちは状況をできるだけ正確に説明し、何が起こったのかを詳細に伝えてくれた。」判決はまだ保留中だが、マッサは前向きな姿勢を崩していない。「今は裁判所の判断を待つしかない」と語り、「僕は常に正義を信じている。正しいことは正しいし、スポーツの一部でないことは正しくない」と締めくくった。マッサの訴訟の背景と現状マッサの訴えは、2008年F1シーズンの「クラッシュゲート事件」に起因するものだ。彼は当時フェラーリに所属し、シーズン最終戦ブラジルGPでタイトルに王手をかけていたが、前年のシンガポールGPで発生した「ルノーによる故意のクラッシュ」事件がタイトル結果に影響したと主張している。マッサ側は、FIAとF1が事件の実態を把握していながら、当時の結果を修正せず放置したことが「スポーツの公正性を損ねた」として法的責任を問うている。現在、判決は英国高等法院により審議中で、結論は年内にも示される見通しだ。フェリペ・マッサの発言が示す信念マッサは2008年の「あと一歩で逃した王座」以来、常に誠実なレーサーとして知られてきた。今回の発言でも、過去の栄光や失望よりも「スポーツの正義」を守ることを強調している点が印象的だ。「正義を信じる」という言葉は、彼にとって単なる裁判上の立場ではなく、長年F1に身を置いた者としての信念の表れだ。ブラジルのファンにとっても、マッサが再びパドックに戻り、自身の闘いを続ける姿は感動的な瞬間となった。
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