リアム・ローソンは、アゼルバイジャンGPでキャリア最高位の5位を獲得した後も、ヘルムート・マルコから特に連絡を受けなかったと語った。しかしそれについて驚きはなかったという。なぜなら、マルコから電話がかかってくるのは「悪いレース」の後だからだ。ローソンは、来季の契約がまだ確定しておらず、レッドブルかレーシングブルズか、F1での将来が不透明な状況にある。
ローソンは今季、レッドブルでシーズンをスタートしたものの、3回のQ1敗退により2戦で降格。レーシングブルズへ移された。現在、レッドブル首脳陣が2026年のラインアップを検討するなか、確定しているのはマックス・フェルスタッペンがレッドブルのエースとして参戦することのみだ。チームメイトはアイザック・ハジャーが有力視されているが、まだ正式決定ではない。レーシングブルズの2枠も同様に未定だ。そのレーシングブルズのシートを巡っては、F2スターのアービッド・リンドブラッドが1つを獲得するとの見方が強まっており、ローソンと現在レッドブルに所属する角田裕毅が、もう1つの枠を争っているとされる。しかし、マクラーレンのドライバー育成プログラムを離脱したアイルランド人レーサー、アレックス・ダンも候補に浮上してきた。ローソンは、アゼルバイジャンGPで予選3番手に入り、決勝では角田裕毅を抑えて5位を獲得。10ポイントを獲得し、レーシングブルズをコンストラクターズ選手権6位に押し上げ、アストンマーティンを上回った。それにもかかわらず、マルコから祝福や賛辞の電話はなかった。しかしローソンは、それを想定内として受け止めていた。「普通は悪いレースの後に電話がかかってくるから、特に聞いていないんだ」と、23歳のローソンは笑いながら語った。「僕たち全員にとって明らかなことだ。長くやってきて、良いパフォーマンスを示さなければこのスポーツに残れないということはよく分かっている」「正直なところ、今はそこに集中している。バクーは素晴らしかったけど、これからの数戦でも同じような結果を出す必要がある」レッドブル陣営の若手たちに残されたのは、あと数戦だ。マルコは、2026年のラインアップについてメキシコGP後には見通しを立てたいと明言しているが、必要なら年末まで待つとも語っている。「我々としては、メキシコの後に指針を持ちたい。年末が我々にとっての最終期限だ」と、マルコは先月RTLに語った。「角田裕毅とリアム・ローソンのパフォーマンスを見極めて、来年の正しい決断を下したい」ローソンは、早く進展を知りたい気持ちはあるものの、それもまたF1ドライバーである以上避けられないことだと理解している。「本当なら明日にでも知りたいよ、正直なところ。でも、この陣営では少し待たされるのが普通で、今はそういう状況なんだ」「自分でコントロールできる唯一のことはマシンでのパフォーマンスだから、その答えが出るまで、それに集中するしかない」「複数年契約を結んでいても、結局のところF1の契約は破棄され得るものだと思う。だから本当に安心できるのは結果を出しているときだけだ。トップの数人を除けば、完全に安心しているドライバーなんてほとんどいないだろう」「でもこれは別に新しい感覚じゃない。僕たちはレッドブルのプログラムのなかで育ってきて、若い頃から成績を出すことだけがステップアップの道だと叩き込まれている。常にプレッシャーの中に置かれてきたから、今はスケールが大きくなっただけで同じことなんだ」
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