FIA(国際自動車連盟)は、2025年F1ラスベガスGPのスタート直後にターン1で発生した複数台の接触後の清掃作業について、2周目の隊列が接近した際にマーシャルがランオフエリアに残っていたにもかかわらず、その対応に関して懸念はないとの姿勢を示した。この状況は、先月のメキシコGPで発生した出来事と一部似ていた。あの時は、リアム・ローソンが1周目の接触で散乱した破片を回収するために派遣された2名のマーシャルとターン1で遭遇してしまった。
当時は、ローソンが1周目の終わりにピットインしたことで状況が変化したにもかかわらず、その情報が現場に正しく伝わらず「指示取り消し」が徹底されないという伝達ミスがあった。ただし、FIAは今回のラスベガスでのケースは複数の点で明確に異なると説明している。まず第一に、今回は指示系統の誤りは一切なく、レースコントロールは2周目の隊列がターン1を通過する際に、マーシャルがランオフにいることを完全に把握していた。また、隊列が接近する時点で清掃作業の大部分は完了していると判断されており、「マーシャルがまったくいない」とは想定していなかったものの、危険性は十分に低いと評価されていた。ランオフ内作業のためVSCやSCは不要と判断FIAは、メキシコGPなどのようにマーシャルが実際のコース上に入るケースでは、通常バーチャル・セーフティカー(VSC)やセーフティカー(SC)が用いられると説明。しかし今回は、マーシャルは「コース上」ではなく「ランオフエリア」に留まり続けていたため、VSC/SCは必要ないと判断された。その後、コース上の破片回収が必要であると報告された段階で、VSCが直ちに投入されている。したがって、ターン1へのアプローチにおいてはダブルイエローフラッグが掲示され、スタート/フィニッシュを通過する前の短いストレートでは追加のシングルイエローも提示される形となった。レースコントロールは一連の対応を「正しく処理された」と評価情報筋によれば、レースコントロールはこの状況を通して把握しており、清掃作業と警告フラッグの運用は適切に処理されたと考えているという。