2025年F1ラスベガスGPのフリー走行1回目は、気温の低い夜のストリートで各チームがセットアップに苦しむ中、シャルル・ルクレールが1分34秒802でトップに立った。アレクサンダー・アルボンが0.166秒差の2番手、角田裕毅(レッドブル)が0.269秒差の3番手につける展開となり、非力な路面状況の中で冷静にプログラムを完遂してみせた。
チャンピオンシップを24ポイント差でリードするランド・ノリスは、序盤にウォールへ接触する場面もあり、マシンの挙動に苦戦。オスカー・ピアストリもセットアップ比較とリアウイングチェックに追われ、低ダウンフォースの特性が弱点となるマクラーレン勢は流れをつかみきれなかった。夜のラスベガスらしい路面の改善が続く中で、多くのドライバーが限界を探った初日のセッションは、各勢力が入り乱れる混戦模様のスタートとなった。スタート直後:レッドブル勢とフェラーリが速さを示すセッション開始直後、角田裕毅、イスラック・ハジャー、ピエール・ガスリーらが早々にコースイン。気温が低く、グリップが立ち上がらない路面で慎重にタイヤを温める必要があった。その中で、ハジャーが1分38秒753で暫定トップに立つも、路面改善が急速に進み、ルクレールが早々に6秒速い1分38秒1に更新。フェラーリの手応えが序盤から見える展開となった。17:12〜17:15:角田裕毅がトップへ。だがルクレールが即座に奪い返す角田裕毅が1分35秒071でトップに浮上。しかしその約1分後、ルクレールが本日最初の34秒台となる1分34秒台へ突入してトップ奪還。角田裕毅は来季シートが決まっていない状況で注目が集まる中、序盤からレッドブルの競争力を示す3番手タイム。FP1では十分に存在感をアピールした。マクラーレンは苦戦:ノリスはウォール接触、ピアストリは周回中断ノリスは17:00前後、ターン出口でウォールへ軽く接触。「リアを壁に当てた」と無線で報告し、ザク・ブラウンは「データ上では問題ない」とコメントしつつ警戒を続けた。ピアストリはアタック中に中断せざるを得ない場面が続き、序盤は14番手付近を走行。「マシンと戦っている」様子が目立ち、両者ともリズムをつかめないまま時間だけが過ぎていった。17:22:アルボンが鮮烈のP2へ。ウィリアムズがこのサーキットに適応「ここはウィリアムズ向きだ」とFP前に語っていた通り、アルボンが1分35秒台の好タイムで2番手へ。タイヤの発熱性が求められる路面に対し、ウィリアムズは序盤から温度を入れるのがうまく、この日のサプライズとなった。17:26〜17:28:ハジャーが怒涛の挽回でP7。ハミルトンを弾き出すセッション終盤、各チームがロングランとショートランの確認に入る中、ハジャーが再びタイムを更新して7番手へ浮上。これによりハミルトンがトップ10から外れる結果となり、メルセデスは初日こそ様子見モードながら、やや不自然な位置でFP1を終えた。最後のアタック:ルクレールがトップ、角田裕毅が3番手を確保残り数分、路面状況はさらに改善。フェラーリ、レッドブル、ウィリアムズ、マクラーレンがトップ10を構成する中、ルクレールが1分34秒802でトップを決定づけた。角田裕毅は0.269秒差で3番手をキープ。ノリスとピアストリはそれぞれ6番手、7番手にとどまり、マクラーレンはまだ本来の位置を見せていない。FP1 トップ10 結果1番手 シャルル・ルクレール(フェラーリ)1:34.8022番手 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)+0.1663番手 角田裕毅(レッドブル)+0.2694番手 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)5番手 カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)6番手 ランド・ノリス(マクラーレン)7番手 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)8番手 ジョージ・ラッセル(メルセデス)9番手 ルイス・ハミルトン(メルセデス)10番手 イスラック・ハジャー(レーシングブルズ)まとめ:ラスベガスは“荒れる”予兆に満ちた初日フェラーリとレッドブルが順調に見える一方で、マクラーレンは依然として低ダウンフォース特性に苦しんでいる。ノリスのタイトル戦に向けた初日はやや不安定。ピアストリは巻き返しの余地を残す。角田裕毅は来季シート未定の中で堂々3番手を確保し、週末に向けて明確な手応えをつかんだ。ウィリアムズはアルボン・サインツJr.ともに上位に並び、ダークホースの可能性も十分。夜のラスベガスは、今年も“一筋縄ではいかない”週末を予感させる滑り出しとなった。
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