ランド・ノリスはF1ハンガリーGPで今季初優勝を飾ったが、レース中にはチームメイトのオスカー・ピアストリとの戦いを巡るマクラーレンの戦略に不満を示した。一方で、大型アップグレードによって生まれたマシンの速さを絶賛し、「これまで経験した中でも最高レベルのペースだった」と振り返った。ポールポジションからスタートしたノリスはオープニングラップでピアストリに先行を許したものの、優れたレースペースを武器に逆転。
チーム戦略を巡る無線でのやり取りは緊張感を帯びたが、最終的には今季初勝利を手にし、タイトル争いへ向けて大きな弾みをつけた。「僕の方がはるかに速かった」と戦略判断に不満レース序盤からノリスは、自身の方がピアストリより速いペースを持ちながら前を走れない状況に不満を募らせていた。第2スティントを前にノリスは、自ら先にピットインしてアンダーカットを狙いたいと無線で要請。しかしチームはこれを認めず、ノリスは「つまり行かせてくれないってこと? 僕の方がはるかに速いじゃないか」と反発した。それでも結果的には、ピアストリが先にピットインした後、ノリスは数周にわたって圧倒的なラップタイムを刻み逆転に成功。ピアストリは周回遅れのカルロス・サインツJr.との接触でタイムを失ったこともあり、ノリスが主導権を握った。レース後、ノリスは次のように語った。「僕はただレースに勝ちたいだけなんだ。チームには守るべきルールがある。お互いのレースを壊すような攻撃的なことはできない。でも僕は勝ちたいし、間違いなく僕の方がはるかに、はるかに速かった」「僕たちには勝つためのもっと良いチャンスがあった。僕がオスカーの後ろで詰まっていた時、マックス(フェルスタッペン)は3〜4秒後ろにいて、まだ脅威だった」「もし僕が前に出ていれば脅威はなくなっていたし、チームとして勝利する可能性ももっと高まっていたはずだ」2024年のハンガリーGPでは、ノリスが「君の言いたいことは分かった」と無線で諭された後にピアストリへ勝利を譲った経緯があった。今年もレース中には「ランド、君が一番速いのは分かっている。だからターン4とターン8でリアが暴れるような走りはもうやめよう」と無線で注意を受けている。ノリスは自身が先にピットへ入りたかった理由についても説明した。「先にピットインしてアンダーカットを決めたかった。そうすれば十分に引き離して、必要ならもう一度ピットに入る余裕もあったと思う」「あるいはオスカーを早めにピットへ誘い込めたかもしれない。でも、早過ぎるピットインは2台ともレースを台無しにする危険もあった」「だからチームとして最善の判断を優先した。それは当然理解している。でも僕はレースに勝つためなら、できることは何でもやりたいんだ」「これまで経験した中でも最高レベルのペースだった」一方でノリスは、今季初勝利をもたらしたマクラーレンのアップグレードと自身のレースペースを高く評価した。スタート直後を振り返り、ノリスは次のように語った。「正直、何が起きたのか分からない。リアが何度も滑ってしまって、3〜4回も大きくスナップした。本当にひどい感触だったし、オスカーもうまくクロスラインを使って抜き返した」「ターン2で少しワイドになってダートに乗ってしまった時点で、最初のラップは終わったようなものだった」それでも諦めることなくプッシュを続けたという。「でも、とにかく全力でプッシュして、オスカーにミスをさせようとしていた。今日のペースは、おそらく僕がこれまで経験した中でも最高レベルだった」「マシンは本当に美しく走ってくれたし、自信を持って攻められた。素晴らしいレースだった」ロングスティント戦略が機能したことも勝因に挙げた。「長く走る戦略になるとは思っていなかった。でもペースが非常に良かったからスティントを延ばせたし、新しいタイヤを履いた時に勝負を決めることができた」「またマシンに『1』のゼッケンを付けて勝てたことが本当にうれしい」アップグレードに手応え 夏休み明けにも自信今週末に投入された大型アップグレードについて、ノリスは今後の戦いにも期待を寄せた。「今日のフィーリングを考えれば、この勢いを維持できると信じたい」「もちろん苦戦するレースもあれば、もっと良いレースもある。このサーキットが僕たちに合っていることは分かっているし、僕自身も得意なコースのひとつだ」「現時点ではこれ以上ない週末だったかもしれない。でも、これからもレースには勝てると信じている。チームは再び勝てるマシンを作るために本当に多くの努力を重ねてくれた。その成果を結果で返せたことがうれしい」さらにタイトル争いを見据え、次のように締めくくった。「本当に巻き返したいなら、こういう週末をもっと増やさなければならないし、ライバルにプレッシャーをかけ続けなければならない」「チームには本当に感謝している。ここまで勝てるマシンを取り戻してくれたことを誇りに思う。まずは夏休みを楽しんで、しっかりリフレッシュし、さらに強くなって戻ってきたい」今季初優勝を飾ったノリスは、チームオーダーへの不満を率直に明かしながらも、マクラーレンのアップグレードによる大幅なパフォーマンス向上には強い自信を示した。ランキングでもシャルル・ルクレールとの差を10ポイントまで縮めており、夏休み明けのオランダGP以降もタイトル争いを盛り上げる存在となりそうだ。