佐藤公哉は、7月19〜20日にオーストリア・レッドブルリンクで開催されたAUTO GP第6大会にユーロ・ノヴァから出場。今季5勝目を挙げてポイントリーダーを堅守した。19日午前9時25分に始まった練習走行(45分間)では、少々走り込んだ中古ソフトタイヤを履きながらも、セッション終了間際に1分20秒998のタイムで2番手。もっとも、走路外走行をとがめられて自己ベスト抹消、それでも1分21秒176のタイムで3番手につけた。
同日午後2時に始まった予選Q1(20分間)では、新品ミディアムタイヤで1分20秒920のトップタイムを記録してQ2へ進出。10分間のインターバルを挟んで午後2時30分に始まった予選Q2(10分間)には新品ソフトタイヤを投入し、1分20秒363のトップタイムを記録して決勝レース1のポールポジションを獲得した。佐藤にとってはAUTO GP初のポールポジションとなった。20日午前8時30分に始まった決勝レース1(23周)、ポールシッターの佐藤はスタートで出遅れて3番手へ順位を落とした。3周終了時点でいち早くピットストップ、リアタイヤのみを交換してタイヤ交換義務を消化したときに見た目の順位はいったん下がったが、ライバルすべてがピットストップを実施したときには2番手へ順位を上げていた。迎えた15周目、2番手の佐藤公哉は前を行くライバルを第3コーナーでインから鮮やかに抜きトップへ浮上。視界が開けた16周目には、1分21秒222のファステストラップを記録。レース終盤になってもペースは衰えず、後続をジリジリと突き放して今季5勝目のチェッカードフラッグを受けた。決勝レース1終了から約2時間という短いインターバルを挟み、決勝レース2(20周)は午前11時20分に始まった。リバースグリッド制のため、決勝レース1で優勝した佐藤は8番グリッドから上位進出を狙った。8番グリッドの佐藤公哉はまずまずのスタートを見せて、タイヤ交換義務を消化したあとは一時3番手を走行し、前を走るライバルを何度も攻め立てて2番手を奪う寸前だった。ところが16周目に突然スローダウン、第2コーナー出口で左後輪のサスペンションの付け根が壊れて残念ながら戦列を離れた。それでも5周後れの8位完走扱いで、貴重な得点を上乗せした。なお、チャンピオンシップのポイントリーダーは佐藤公哉で182点。2大会を残して2位に44点差をつけた佐藤公哉は、いよいよAUTO GPのタイトル獲得を視界に入れた。佐藤公哉「GP2を休んでまでここへ来たので、ポールポジションは絶対に欲しかった。GP2でもこういう結果を残したいですね。クルマのバランスは悪くありません。トラブルに見舞われたりアクシデントに遭ったりしなければ決勝レースも大丈夫でしょう。決勝レース1のスタートでは、アクセル全開だったにもかかわらず、路面のグリップ高くてエンジンがストール気味になりました。ただ、3番手に落ちても冷静でしたし、ピットストップも無難にこなせました。16周目のオーバーテイクは、トップのドライバーのブロックが少し甘かったので、コーナー進入で思い切って飛び込みました。ポールポジションの2点、優勝の25点、ファステストラップの1点と、ここまではフルポイントを稼げました。決勝レース2でも表彰台は確実なレース展開で、あとは3位に終わるか2位になれるか、連勝までも望めるか? という状況でした。しかし、サスペンションが壊れてしまいました。もし、高速コーナーやストレートで壊れていたらコースアウトは必至で、大きなクラッシュになっていたかもしれません。そう考えれば不幸中の幸いでした。ただ、クルマの調子は良かったし表彰台も目前だったので、ポイントを取れなかったのは残念です」
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